β遮断薬によるCOPD増悪抑制、初の無作為化試験/NEJM

 中等度~重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、β遮断薬メトプロロールの増悪予防効果は、プラセボと同等であることが判明した。米国・アラバマ大学バーミングハム校のMark T. Dransfield氏らが、532例の患者を対象に行った前向きプラセボ対照無作為化試験の結果で、増悪による入院の頻度がメトプロロール群のほうが高かったことも示されたという。これまで観察試験では、β遮断薬が中等度~重度COPD患者の増悪および死亡リスクを低減することが示されていたが、無作為化試験では検証されていなかった。NEJM誌オンライン版20191020日号掲載の報告。

初回COPD増悪までの日数をプラセボと比較

 研究グループは、米国26ヵ所の医療機関を通じて、4085歳のCOPD患者を対象に試験を行った。被験者は、中等度気流制限があり増悪リスクが高い(前年に増悪歴または酸素補給処方歴があることを根拠として判定)患者で、β遮断薬の服用歴がある患者、あるいは使用の適応がある患者は除外した。

 被験者は無作為に2群に分けられ、一方にはメトプロロール徐放錠を、もう一方にはプラセボをそれぞれ投与した。投与量は最終的に125mg50mgまたは100mgに調整された。

 主要エンドポイントは、治療期間中の初回COPD増悪までの日数だった。治療期間は最終投与量により異なり、25mgの患者は336日間、50mg100mgだった患者は350日間だった。

メトプロロール群202日、プラセボ群222日で有意差なし

 計532例の患者が無作為化を受けた。平均年齢65.0±7.8歳、平均FEV1値は41.1±16.3%だった。

 本試験は、主要エンドポイントに対する無益性と安全性の観点から、予定より早期に中止となった。

 初回増悪までの日数中央値は、メトプロロール群202日に対しプラセボ群222日と、両群で有意差はなかった(ハザード比[HR]1.0595%信頼区間[CI]0.841.32p0.66)。入院を要する増悪リスクは、メトプロロール群がプラセボ群よりも高いことが認められた(HR1.9195CI1.292.83)。

 メトプロロールに関連していると思われる副作用の発現頻度、および全非呼吸器系の重篤有害イベントの発生率は両群間で差はなかった。治療期間中の死亡は、メトプロロール群11例、プラセボ群5例が報告された。

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