「リンゴ」体型の閉経後女性は心疾患リスクに注意?

閉経後の女性は、体型によって心血管疾患(CVD)を発症するリスクが異なるようだ。腹部に脂肪がたまる「リンゴ」体型の高齢女性は、たとえ適正体重であっても、下半身に脂肪がたまる「洋ナシ」体型の女性に比べてCVDリスクが高いことが、米アルバート・アインシュタイン医科大学准教授のQibin Qi氏らの検討で示された。

一方、脚に脂肪が多い女性はCVDリスクが有意に低いことも分かったという。研究の詳細は「European Heart Journal630日オンライン版に掲載された。

 この研究は、米国の16万人を超える50歳以上の閉経後女性を対象に実施した大規模調査、女性健康イニシアチブ(Women’s Health InitiativeWHI)のデータを用いたもの。ベースライン時(19931998年)にCVDの既往がない適正体重(BMI 18.5以上25未満)の閉経後女性2,683人を対象に、20172月まで追跡。腹部と下半身の体脂肪の蓄積パターンとCVD発症との関連について調べた。

 中央値で17.9年間の追跡期間中に291人がCVDを発症した。分析の結果、全身の脂肪量とCVDリスクとの間に有意な関連はみられなかったが、ウエスト周りの脂肪の蓄積はCVDリスクの上昇と関連していた。

ウエスト周りの脂肪量で女性を4つの群に分けて比較したところ、最も脂肪が少ない女性に比べて、最も多い女性ではCVDリスクは約1.9倍であった。一方、脚については、脂肪量が多いほどCVDリスクは低下することも示された。脚の脂肪量が最も少ない女性に比べて、最も多い女性ではそのリスクは約40%低かったという。

 さらに、ウエスト周りの脂肪が多く、脚の脂肪が少ない「リンゴ」体型の女性は、その逆の「洋ナシ」体型の女性に比べてCVDリスクが3倍以上に上ることも明らかになった。

 Qi氏は「今回の研究結果から、閉経後女性は肥満でなくても、脂肪がたまる部位がウエスト周りか下半身かによってCVDリスクが異なる可能性が示唆された」と述べ、体重だけでなく脂肪が身体のどこにたまっているのかにも注意する必要があるとしている。

 Qi氏らの推計によれば、今回の研究では、腹部の脂肪を37%以上から27%未満にまで減らせば、下肢の脂肪量が変わらなくても女性1,000人につき年間6件のCVDの発症を予防できるという。一方、ウエスト周りの脂肪がそのままでも、下肢の脂肪を42%未満から49%以上に増やした場合には、女性1,000人につき年間3件のCVDの発症を防げるとも試算している。

 ただし、今回の研究は因果関係を証明するものではない。また、「閉経後女性を対象としたものであるため、若い女性や男性にも当てはまるとは限らないことに注意が必要だ」とQi氏は付け加えている。

[201971/HealthDayNews]

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です