がん生存率に降圧薬が影響するか

降圧薬のがん生存率に対する影響について結論は出ていない。米国ヴァンダービルト大学医療センターのYong Cui氏らは、主な降圧薬と乳がん、大腸がん、肺がんおよび胃がんの全生存(OS)・がん特異的生存(DSS)との関連について、潜在的な交絡因子を包括的に調整し、時間依存Cox回帰モデルにより検討した。その結果、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、Ca拮抗薬が、消化器がんの生存を改善する可能性が示唆された。American Journal of Epidemiology誌オンライン版201957日号に掲載。

 本研究の対象は、中国の上海で実施されたShanghai Women’s Health Study19962000)およびShanghai Men’s Health Study20022006)の参加者で、2,891例の乳がん、大腸がん、肺がん、胃がんの患者が含まれた。降圧薬の使用は電子カルテから調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・がん診断後の追跡期間中央値3.4年(四分位範囲:1.06.3)において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR0.6295CI0.440.86DSSの調整HR0.6195CI0.430.87)および胃がん患者(OSの調整HR0.6295CI0.410.94DSSの調整HR0.6395CI0.410.98)、β遮断薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR0.5095CI0.350.72DSSの調整HR0.5095CI0.340.73)でアウトカムが改善した。

・さらに、Ca拮抗薬(DSSの調整HR0.6795CI0.470.97)および利尿薬(OSの調整HR0.6695CI0.450.96DSSの調整HR0.5795CI0.380.85)を使用していた胃がん患者においてもアウトカムが改善した。

(アンジオテンシンⅡ阻害薬)

  1. アンジオテンシンは細胞質内にカルシウム流入させることで血管収縮が促進される事による血圧上昇を促進
  2. 副腎皮質のアルドステロンの合成促進による血圧上昇
  3. 視床下部内の脳下垂体後葉のパブレッソン分泌を促すことによる血圧上昇
  4. 腎臓の尿細管中のナトリウム再吸収を促進させる事による血管収縮を促進させて血圧上昇を促す。
  5. レニン分泌の制御

β受容体遮断薬)

交感神経のβ受容体への刺激は交感神経系に働きかけ、血管収縮を促すことによって血圧上昇を促進する。

(カルシウム拮抗剤)

血管壁に存在するカルシウムチャンネルより血管壁内にカルシウムの流入は、血管壁平滑筋の収縮を促し血圧上昇の要因となる。

上記の統計報告を大まかに考察するとつまり、血圧上昇を薬理作用によって抑えることでがん患者の生存率が減少するのではないかという事を示唆しているようです。

確かにがん細胞は血管新生による働きによる自らの栄養源を血液から供給する事によって細胞分裂を促進している働きには、その血液供給を減少させる目的での血圧上昇を阻害させるという事はいわば、兵糧攻めを受けている牙城を落とすがごとくその目的は達成されるように一見考えれれるのではありますが

血管からの栄養源供給はがん細胞以外の正常細胞においてもそれはとても重要な事であるという事実などとどのようにバランスするのかと

がん細胞死滅を目的とした薬理作用での血圧上昇制御方法は、がん患者にとって治療の本館になるのかという疑問は残るところです。

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