こんなにある子供の便秘サイン

2018318日、EAファーマ株式会社は、「大人が知らない『子供の慢性便秘症』の実態と世界標準へと歩み出した最新治療~便秘難民ゼロを目指して~」をテーマに、都内でプレスセミナーを開催した。

 セミナーでは、子供が抱える「言うに言えない便秘の悩み」に大人がどう気付き、診療へ導くのか解説された。

子供の5人に1人は便秘

 セミナーでは、十河 剛氏(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科)を講師に迎え、小児の便秘症について詳しくレクチャーを行った。

 はじめに横浜市鶴見区で行われた調査報告を紹介。 38歳の子供3,595人に食事と排便に関するアンケート調査を行ったところ、718人(約20%)に慢性便秘症(ROMEIII診断基準による)がみられたという(全国平均では約15%)。

とくに便秘の子供では、「便を我慢する姿勢や過度の自発的便の貯留の既往」「痛みを伴う便通の既往」「少なくとも週1回の便失禁」が散見されると報告した1)

 子供の便秘に関しては保護者の関心も高い一方で、しつけや教育の問題とされたり、周囲に相談できる人がいなかったり、かかりつけの医師に相談しても対症的な治療だけだったりと不安を訴える。

また、子供たちは、友達から「臭い」と言われたり、恥ずかしくて言えなかったりと自尊心が傷つき行き場のない子供を診療で救う必要性があると同氏は問題を指摘する。

気付きたい「便秘症」の症状

 「便秘」について、その定義、診療はどのようにされるべきか。「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」(2014年)によれば、「便秘とは、便が滞った、または便がでにくい状態」と定義され、とくに小児では、排便時に肛門が痛く泣いたり、いきんでも排便ができない状態がみられる。

ただ注意すべきは、「便秘」の認識は、個々人で異なるため排便の回数などで判断せず、同時に家族の状況も確認した方がよいと語る。

 そして、便秘の症状として「腹痛、裂肛、直腸脱、便失禁、肛門周囲の付着便や皮膚びらん、嘔吐・嘔気、胃食道逆流・げっぷ・口臭、集中力低下、夜尿・遺尿」があり、いかに医療者が気付き、診療介入できるかが重要だと指摘する。

 具体的に10歳・女児の症例を紹介。この症例では、「口臭、げっぷ、嘔吐、排便時間30分超」の症状がみられ、他科診療の折に同氏の診療科を受診、便秘症の診療にいたったという。

X線検査では、直腸に便塞栓が観察され、大腸に大量の便が貯留していた。慢性便秘症と胃食道逆流症の診断後プロトンポンプ阻害薬とポリエチレングリコール(PEG)製剤で治療を開始。19日後には、排便時間が10分以内になり、当初の症状も消失したという。

 小児の便秘症を疑うポイントとして、前記便秘症状の中でも触れているが、溜まった便で膀胱が圧迫されることによる夜尿やおもらしが多く、便塞栓のために液便による便漏れやこれらに伴う肛門部のびらんなどがみられ、診断の手助けになると語った。

小児にも適用できるようになったPEG製剤

 小児が便秘症を発症しやすい時期として、「食事の移行期(離乳食から普通食など)」「トイレットトレーニング」「通学の開始」の3期があり、排便への恐れが子供にできないように、環境を整えることも重要と指摘する。

 また、便秘症の「便塞栓」について詳説し、本症を疑うポイントとして、「少量の硬い便」「肛門周囲や下着への便の付着」「便がでにくいのに下痢便」「1週間近く排便がない」などが見られたら治療介入し、便秘症の悪循環を断ち切る必要があると強調する。

 便秘症治療の三大原則としては、「便塞栓があればその除去の後で、薬剤、食事、生活習慣改善などの治療を行う」「外したフタ(便塞栓)は外したままにする」「便を我慢せず出しきる習慣を身に付ける」ことを説明。

とくに排便習慣については、直腸の排便へのセンサーを正常化させることが大事で、また、排便の姿勢についても、自然に排便できるように洋式便座では踏み台などの設置も効果的という。

 そして、これら治療を補助するために治療薬があり、「浣腸だけでなく新しい経口治療薬も小児には適用できるようになった」と説明する。

現在、わが国では、乳児・幼児に対してラクツロース、酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤、グリセリン、ビサコジルなどの刺激性下剤が便秘に多用されている。

また、201811月からようやくわが国でもPEG製剤(商品名:モビコール)が、2歳以上の小児に使用できるようになったこともあり、便秘薬の選択肢は増えつつあるという(参考までに、海外では便塞栓除去に浣腸だけでなく経口治療薬も選択肢に入っており、イギリスではPEG製剤が第一選択薬となっている2))。

 臨床上、成人の便秘症は治療に難渋することがあるが、子供の便秘症では薬剤療法が奏功することもあり、早く介入することが重要と語る。

治療の目標は、便秘ではない状態の維持であり、そのためには34年近く必要という。

 最後に同氏は、子供のトイレ指導のコツについて、「25%できたら褒める」「小さいことから少しずつ」「できた行動に着目する」「具体的な指示をする」「一度に一つだけ指示をする」などを挙げ「便秘難民がゼロ」になることを期待すると講演を締めた。

便秘が持続的に続くという事は、身体的にも精神的にも悪影を及ぼしてしまう危険性があります。そのような便秘症にならないための研究という事のようです。

上記の記事に対して個人的に気になる点といえば、便秘症改善に「プロトンポンプ阻害剤」と「ポリエチレングリコール」を用いているというところです。

(プロトンポンプ阻害剤)

プロトンポンプ阻害剤は胃酸の過剰分泌を抑えるための治療薬としても多く用いられている薬ですが、おそらく腸の蠕動運動を改善させる成分の一つである「塩化マグネシウム」がその薬に含まれるために便秘に薬効があるという判断のもとで投与されたと思われます。

プロトンポンプ阻害剤は胃の壁にある胃酸を分泌する受容体をアゴニストまたはアンタゴニストの作用によって胃酸の分泌を阻害して過剰な胃酸分泌を抑制する効果があるようです。

自律神経の働きという視点から考えてみると、胃酸分泌は副交感神経の働き、胃酸分泌制御は交感神経の働きという事になると思います。これに並走するように、腸の蠕動運動は交感神経の刺激によって低下させ、副交感神経の刺激によって活性化します。

確かに塩化マグネシウムは腸の蠕動運動を向させる成分であるために便秘に効果的だと考えられますが

よく考えてみるとプロトンポンプ阻害剤は胃酸分泌制御する働きからつまり、自律神経の中の交感神経を刺激してしまう薬と考えられるのではないでしょうか?

交感神経が刺激さてれいる状態はすなわち腸の蠕動運動を制御する方向に働きかけるということにつながり

まとめるとプロトンポンプ阻害剤は胃酸分泌を制御するという事より、体内の自律神経系は交感神経活性化に傾いて、結果的に腸の蠕動運動は制御されると考えられるのではないでしょうか?。

しかしプロトンポンプ阻害剤の成分に含まれている「塩化マグネシウム」が腸壁に存在する平滑筋の活動を活性化するという事になりますし

この2つの相反する薬効をどう考えればよいのでしょうか?

ポリエチレングリコール

この成分については、腸内の水分含有量を増やす成分であるようですので、便の排泄という観点から考えて便秘症改善には効果があるのではないかと思います。

便秘治療薬としての「プロトンポンプ阻害剤」の投与については2つの相反する薬効があるために、この矛盾点に疑問が残る記事でした。

動画をご覧の際にはパケットが発生しますので、モバイルでの閲覧時にはWi-Fi環境下での視聴をおすすめいたします。

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