アジア人の研究で糖尿病と心不全の危険な関係が判明

2型糖尿病と心不全を併発している患者は心臓の構造が変化しており、入院や死亡のリスクが高いことが、アジア人を対象とした国際研究から報告された。詳細は「Journal of the American Heart Association821日オンライン版に掲載された。

 糖尿病は世界的に増加傾向にあり、糖尿病と心不全を併発することも少なくない。この両者の関連について欧米の患者を対象とした研究は広く行われてきているが、アジア人を対象とした研究報告はこれまでのところ多くはない。

 今回の研究では、ASIAN-HFAsian Sudden Cardiac Death in Heart Failure(アジア心不全突然死)〕レジストリに登録されている心不全患者約6,200人のデータを国際チームが解析した。

 その結果、2型糖尿病と心不全の併存は、心臓の構造異常、生活の質(QOL)の低下、入院や死亡のリスク上昇と関連することが判明した。具体的には、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて、左室拡張末期容積が小さく、心不全患者のQOL評価指標であるカンザスシティー心筋症スコアが低く、心不全による再入院および全ての原因による死亡・再入院のリスクが高く、それぞれ群間に有意差があった。

 なお、心不全は心臓の収縮力(左室駆出率)が低下したタイプ(HFrEF)と収縮力が保たれているタイプ(HFpEF)に分けられるが、今回の研究ではHFrEF5,028人でそのうち2型糖尿病は40.2%、HFpEF1,139人でそのうち2型糖尿病は45.0%であり、HFpEFにおける糖尿病の有病率が有意に高いことがわかった。また国・地域別ではシンガポールと香港で、糖尿病を併発している心不全患者の割合が高かった。

 本論文の筆頭著者であるシンガポール国立心臓病センターのJonathan Yap氏は、「糖尿病と心不全という対をなす両疾患の悪影響を取り除くには、一次予防戦略が必要であり、そして患者ごとに個別化した医療が求められる」と述べている。さらに「今回の知見は地域およびプライマリケアレベルでの公衆衛生的予防手段の必要性を強調するもの。糖尿病が併存する心不全患者について、医師は注意深く監視し、疾患管理を最適化すべき」とまとめている。

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