オピオイド蔓延により感染性心内膜炎が倍増

米国でオピオイド蔓延により生じた重大な問題は、依存症と過剰摂取による死亡だけではない。感染性心内膜炎と呼ばれる心臓の感染症も警戒を要する上昇率をみせていることが、米クリーブランド・クリニック循環器内科のSerge Harb氏らの研究により示された。

同氏らが、感染性心内膜炎患者約100万人のデータを分析したところ、20022016年の間に薬物乱用に関連した感染性心内膜炎の発症率は2倍になっていたという。詳細は「Journal of the American Heart Association918日オンライン版に掲載された。

 感染性心内膜炎は心臓の内側の組織(心内膜)に細菌が付着することで生じる感染症で、脳卒中や心臓弁膜症、心不全、弁周囲膿瘍につながる恐れがある。

Harb氏らによると、米国において感染性心内膜炎は、2002年に1万人当たり18人の発症だったのが、2016年には1万人当たり29人の発症に増加している。主なリスク因子は薬物乱用であるが、薬物乱用の有無にかかわらず、死亡率は1030%と高い。

 Harb氏らは、National Inpatient SampleNIS)の20022016年のデータから抽出した感染性心内膜炎患者約100万人を対象に、後ろ向きコホート研究を実施。米国での薬物乱用に関連した感染性心内膜炎発症の推移や地理的分布、患者の特徴や転帰を調べた。

 その結果、薬物乱用に関連した同疾患の割合は、2002年の8%から2016年には16%と2倍になっていたことが分かった。最も増加率が高かったのは中西部で、毎年5%近く上昇していた。

 発症例が最も多かった年齢の中央値は、地域により37歳から41歳までの幅があったが、その大部分は白人男性で、多くがHIVC型肝炎ウイルスに感染していたり、アルコール依存症だったりしたという。

また、これらの患者のうち、42%は所得四分位階級の最も低い階級に属し、45%は低所得層向けの医療保険メディケイドに加入していた。さらに、薬物乱用に関連した感染性心内膜炎患者は、薬物乱用のない患者に比べ、入院期間が長く、心臓手術を受ける確率も高かった。ただし、大半は若いため、死亡例は少なかったという。

 こうした結果を受け、Harb氏は、「オピオイド蔓延に対処するためには、全国規模で公衆衛生対策を展開するとともに、地域でもリスクの高い患者に特化した対策を行っていくことが必要だ」と指摘。

また、薬物に関連した感染性心内膜炎に対する適切な治療は治療計画の一部に過ぎず、「患者を治療し再発を防ぐには、患者が依存症を克服するのを手助けし、社会的支援を提供し、有効なリハビリテーションプログラムに参加させることが重要だ」と述べ、心臓専門医、感染症専門医、心臓外科医、看護師、依存症治療の専門家、ケースマネージャー、ソーシャルワーカーなどから成るチームで対応していく必要性を説いている。

 一方、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の心臓学教授のGregg Fonarow氏は、「米国では感染性心内膜炎に関連した薬物乱用も増加している。

この事実は、米国におけるオピオイド蔓延の破壊的な影響を浮き彫りにするとともに、この深刻な公衆衛生問題に対し徹底した努力が必要である理由をも明らかにしている」と述べている。

[2019918/HealthDayNews]



感染性心内膜症を引き起こすメカニズムを広義的に推察すると、その症状等から推測されるように、これはつまり身体免疫力の異常と考えられるのではないでしょうか。

本来心臓の内膜に細菌が入り込む前に正常な免疫システムは働いているのであれば、身体に入り込んだ細菌は臓器のような深部まで到達する前段階で駆逐される事が正常な免疫システムだと思いますが

「オピオイド系」薬品の依存状態は、その身体免疫システムに何らかの悪影響を及ぼす可能性があるという事のようです。

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