ソーシャルメディアは健康に良い?悪い? AHAニュース

ソーシャルメディアの広がりとウェブサイトやアプリケーションの無限の資源が、人々の健康情報への飽くなき欲求と結びあうと、患者、医療従事者、研究者にとって強力なツールとなる。最近の調査によると、米国人の81%がスマートフォンを利用しており、ほぼ全員がコンピューターを保有しているという。さらに72%が何らかのソーシャルメディアを利用していて、69%がFacebook37%がInstagram22%がTwitterを利用しているとされる。

 米Penn Medicine CenterRaina Merchant氏は、「ソーシャルメディアは、以前には成し得なかった方法での医療サポートを可能にし、情報を拡散する素晴らしいツールだ。ソーシャルメディアを通じて患者同士で何を話しているのか、何を心配しているのかを理解できる」と述べている。

 同氏はこれまでに、Facebookの投稿を分析し、健康問題や心理学的問題を検討したり、医療機関の評判を見比べたり、医療従事者がソーシャルメディアを使って患者の話を理解するために手助けするといった研究を行ってきている。しかし何百万ものツイートを分析した同氏が直面したのは、インターネットのジレンマと言える「デマ」だった。

 「よくあるのが、例えば『凍らせたレモンを食べれば糖尿病が治る』といった類だ。言うまでもなくばかげた話で、薬を飲むのを中断し冷凍レモンを食べていれば、深刻な健康被害につながる。我々はこうした状況に対抗しなければならない」と同氏は語る。

 子どもに対しては別の問題もある。非営利団体Action for Healthy KidsLoren Coleman氏は、「ソーシャルメディアは健康法を学んだり刺激を受けたりするのに最適な場所」と評価しながら、「ネットによるいじめは大きな問題であり、子どもたちがソーシャルメディアを上手に利用できるように、保護者はオンラインかつオフラインで関与していく必要がある」と述べている。

 一方、医療従事者の間でも、ソーシャルメディアの存在は日に日に大きくなっている。米スタンフォード大学医学部長で循環器・血管内治療を専門とするRobert Harrington氏は、「専門家として活動していく上でソーシャルメディアが非常に役立つようになってきた。時間を効果的に使え、以前より多くの情報を得た上で考察できるようになった」と述べている。

 しかし同氏は最近、電子タバコを巡る自身の姿勢に不満を持つ人々とネット上で口論するという経験をした。「このような人々はデータについて話したいのではなく、自分の思いを人に伝えたいのだ。専門家はこういった口論を避けずに、進んで関与していかなければならない。この手の議論には、信念に基づく意見ではなく、事実に即した意見が求められる」と述べている。

 一般の人にとっての問題は、多くの場合、情報の受け手側にいることである。かつてないほど大量の情報が得られるようになったことで、情報を整理し、何が信頼できるのかを自ら判断しなければならない。「そのためには、さまざまな視点から情報を批判的に考える姿勢(クリティカルシンキング)が必要」とHarrington氏は指摘している。

 前出のColeman氏は、「“Infobesity”(情報肥満)という新語は、インターネットなどに氾濫する情報によって人々が過剰負荷になっている状態を表現している。このような状況をわれわれ自身そして子どもたちが健全な形で管理していくことが極めて肝要である」と述べている。

[2020
122/American Heart Association] 

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