プロバイオティクスのネット情報は信頼できる?

 健康や医療に関する情報の収集に、いまやインターネットは欠かせない手段となっている。だが、ネット上の健康情報はどの程度まで信頼できるものなのだろうか。ブリュッセル自由大学(ベルギー)免疫学教授のMichel Goldman氏らが行った研究から、プロバイオティクスに関するオンライン情報の多くは科学的根拠に基づくものではなく、それらは慎重に解釈する必要があることが示された。研究結果の詳細は「Frontiers in Medicine115日オンライン版に掲載された。

 Goldman氏らは今回、「プロバイオティクス」のキーワードでGoogle検索して表示されたウェブサイトのうち、検索順位が150位までのページの情報を精査。情報を裏付ける科学的根拠の有無やそのエビデンスレベルを評価した。

 その結果、ウェブサイトのほとんどは、プロバイオティクス製品の販売を目的とした商用サイトか、ニュースサイトや健康情報のリンクを集めたポータルサイトであった。また、その多くはプロバイオティクスの有益性について言及していたが、情報の信頼性は低く、必ずしも科学的根拠で裏付けされたものではないことが分かった。プロバイオティクス製品による副作用の可能性について述べているウェブサイトは、全体の4分の1に過ぎなかったという。

 以上から、Goldman氏は「われわれの研究結果から、プロバイオティクスの有益性に関するオンライン情報の多くは、科学的根拠に基づいたものではないことが示された」と結論づけている。

 プロバイオティクスとは、ヨーグルトなどの発酵食品や栄養補助食品に含まれる「善玉菌」のこと。プロバイオティクスには消化を助け、病原菌と闘い、ビタミンの合成を助ける働きがあると言われている。また、Goldman氏によれば、食物アレルギーの脱感作療法の補助のほか、湿疹、女性の尿路感染症や性器感染症の一部にも効果があるという。しかし、同氏らは今回の研究で、「“プロバイオティクスはがんに効く”など、科学的根拠のない大げさな主張をするサイトも見られた」と注意を促している。

 一方でGoldman氏らは今回、Google検索では、一般的な商用のウェブサイトよりも、情報源の信頼性が比較的高いウェブサイトのほうが上位に表示される傾向がみられたとしている。

 しかし、「そうであっても、消費者はオンラインの健康情報の信頼性には気をつける必要がある」とGoldman氏は強調する。その上で、「医師が扱う処方薬と比べて規制が緩いプロバイオティクス製品や市販薬については、査読のある医学雑誌に掲載された論文などのエビデンスに基づくものか否かを調べる必要がある。また、主治医に、プロバイオティクスを摂取したほうがよいかどうかを尋ねるのもよい」と同氏は付け加えている。

 専門家の一人で、米ノースウエスタン大学オッシャー統合医療センターのエグゼクティブディレクターを務めるMelinda Ring氏は、「特に自然食品や栄養補助食品の分野では、商業ベースの信頼性の低い情報が圧倒的に多い」ことを問題視している。

 Ring氏は、腸内細菌叢のバランスを整えるためには、まず食生活を改善し、野菜や果物、精製されていない穀類を積極的に食べることを勧めている。もしプロバイオティクス製品を摂取するのであれば、「評価の高いブランドの製品を選び、腸内細菌叢の多様性を保つため2種類以上のプロバイオティクスを摂取するのがよい」と同氏は助言している。

[2020115/HealthDayNews]



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