ワルファリンの最適な服用時間帯は?

抗凝固薬のワルファリンは、夕食後または就寝前の服用を指示されることが多い。しかし、アルバータ大学(カナダ)家庭医学准教授のScott Garrison氏らが実施した研究で、ワルファリンは朝夕の服用時間帯で効果に差は見られないことが明らかになった。同氏は「ワルファリンは、それぞれの患者が飲み続けられやすい時間帯に服用するのがよい」と述べている。研究の詳細は「Annals of Family Medicine1/2月号に掲載された。

 ワルファリンは、血液を固まりにくくして、脳卒中や心筋梗塞、血栓症の原因となる血栓ができるのを抑えるように働く薬剤だ。心房細動と呼ばれる不整脈の治療にも用いられている。ワルファリンは、服用量が多すぎると出血の原因になるが、少なすぎても十分な抗凝固効果が得られない。そのため、ワルファリンを服用中は、定期的に「血液凝固能検査」と呼ばれる血液検査を受けて、用量を調節する必要がある。

 ワルファリンを夕食後または就寝前に服用するよう指示する医師が多いが、この理由には同薬の用量調節のしやすさが関係している。Garrison氏は「ワルファリンを朝ではなく夜に服用すると、血液検査の結果が出てから用量を調節するまでの時間が短縮できる」と説明している。

 Garrison氏らは今回、ワルファリンを3カ月以上、夕食後または就寝前に服用している患者217人を対象に、同薬を朝食後に服用する群(109人)または夕食後あるいは就寝前に服用する群(108人)にランダムに割り付けて7カ月間追跡した。ワルファリンの抗凝固効果が目標治療域の範囲外にあった時間の割合を比較した結果、同薬の効果は、服用する時間帯で有意な差は見られないことが分かった。

 今回の研究には関与していない、米レノックス・ヒル病院で脳卒中プログラムのディレクターを務めるSalman Azhar氏は「ワルファリンの血中濃度は、食べ物や他の薬剤による影響で大きく変動しやすく、用量調節が難しい」と話す。例えば、色の濃い葉物野菜やブロッコリーには、血液凝固を促進するビタミンKが多く含まれている。また、抗菌薬は肝臓におけるワルファリンの代謝に影響を及ぼすことが知られている。

 Azhar氏によると、これまでの研究で、ワルファリンの血液凝固効果が目標治療域に入る時間帯は全体の約55%にとどまることが報告されている。つまり、残りの時間帯はワルファリンの十分な効果は得られていないことになるという。

 「管理の難しさから、抗凝固薬をワルファリンからリバーロキサバンやアピキサバンなどの比較的新しい薬へと切り替える医師も増えている」とAzhar氏はいう。新規の抗凝固薬は頻繁な血液検査などのモニタリングを必要とせず、血中濃度も他の薬剤の影響を受けにくいという利点がある。同氏によれば、特に心房細動患者にはこれらの新しい抗凝固薬が選択されることが多いという。ただ、ワルファリンも依然として重要な治療選択肢であり、「人工心臓弁を植え込んだ患者や遺伝的に血液がより固まりやすい体質の患者などにはワルファリンが適している」と同氏は付け加えている。

[2020117/HealthDayNews]

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