低線量CT検査により肺がん死亡率は低下する

本試験は、低線量CTによるスクリーニング検査によって、高リスク群の肺がんの死亡率の影響をみる大規模無作為化比較試験の結果である。2000年より20151231日まで最低10年以上の経過をみた。年齢中央値は58歳で(5074歳)、男性13,195例、女性2,594例が登録され、1年、3年、5.5年にCTを受けるスクリーニング群とコントロール群に無作為に分けられた。結果として、肺がん発症率はスクリーニング群で5.58/1,000人年、コントロール群では4.91/1,000人年で、スクリーニング群ではIAおよびIBの患者は58.6%であったが、コントロール群ではそれぞれ14.2%と13.5%であり、III/IV期が70%であった。
死亡率はそれぞれ2.50/1,000人年、3.30/1,000人年であった。10年時点で男性では累積生存率比は0.76で女性は0.67であった。以上より、著者らはCTスクリーニングを推奨している。
本試験に先立ち2011年に、米国よりNLSTの約53,000例のハイリスク患者においてCT検診で20%の死亡率が減少するとの有用性の結果が報告されていたが、それ以外の大規模試験での肺がん全死亡率の低下を示す有用性の報告はなかった。この試験の結果は、CT検診を進める根拠となりうる重要な論文と考えられる。
ただし著者らもコメントしているが、女性については人数が少なかったので今後の検討が必要である。
本邦において検診のシステムは比較的充実しているが高齢者では受診率が低く、低線量CT検診を導入するに当たり、被ばく、費用および要精密検査率の増加等の不利益もあるので、CT検診の適応症例には十分な検討が必要である。



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