低線量CT検診で肺がんによる死亡減

低線量の胸部CTLDCT)による肺がん検診は、従来の胸部X線撮影に比べて、肺がん罹患リスクが高い集団における肺がん死亡の低減につながるとする研究結果を、米国立がん研究所(NCI)のPaul Pinsky氏らが「Journal of Thoracic Oncology628日オンライン版に発表した。

 肺がんは、世界のがんによる死亡原因のトップを占めている。Pinsky氏によれば、LDCTを用いた検診による肺がんの早期発見や早期治療が死亡率の低減につながるか否かについては明らかになっておらず、これまで20年以上にわたり検討が続けられているという。

 2011年には、米国の肺がん患者約53,000人を対象に実施された「全米肺検診試験(National Lung Screening TrialNLST)」と呼ばれる大規模研究の結果が発表された。この試験は、対象患者をLDCT検診群または胸部X線検診群にランダムに割り付けて比較検討したもの。中央値で6.5年間追跡した結果、喫煙者や喫煙歴がある肺がんリスクが高い集団において、年1回、3年にわたるLDCT検診を行った群では、胸部X線検診を行った群に比べて肺がんによる死亡率が20%低いことが分かった。

 Pinsky氏らは今回、全体を通して肺がん罹患率を中央値で11.3年、死亡率を12.3年間追跡するNLSTの延長試験を実施した。その結果、延長試験においても、LDCT検診群では胸部X線検診群に比べて肺がん死亡例が少ないことが明らかになった。

 また、2011年に報告された本試験では、肺がんによる死亡を1人予防するのには、320人がLDCT検診を受ける必要があることが示されたが、今回の延長試験ではその人数は303人と両試験で差はみられなかった。

 これらの結果を受け、Pinsky氏は「6年間のさらなる追跡を行った今回の延長試験から、LDCTによる肺がん検診は、肺がんによる死亡の低減や10年以上の余命の延長につながる可能性があることが示された」と結論。その上で、同氏は、国際肺癌学会(IASLC)のニュースリリースの中で、「今回の研究結果は、高リスク集団において、LDCTによる肺がん検診は死亡率の低減に有益とするエビデンスを裏付けるものだ」と述べている。

[2019715/HealthDayNews]

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