加糖飲料の摂取で心血管疾患死リスク

米国の11万人を超える医療従事者を対象とした研究から、加糖飲料を習慣的に摂取する人は、そうでない人に比べて心血管疾患(CVD)で死亡するリスクが高い可能性があることが示された。加糖飲料の摂取量が多いほどCVDによる死亡リスクは上昇したという。研究の詳細は「Circulation318日オンライン版に掲載された。

 この研究は、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のVasanti Malik氏らが行ったもの。

医療従事者追跡調査(HPFS)および看護師健康調査(NHS)に参加し、ベースライン時に慢性疾患がなかった男性37,716人と女性8647人を対象に、1980年代から2014年まで長期にわたり追跡したデータを分析した。追跡期間中に7,896人が心疾患または脳卒中により死亡した。

 その結果、加糖飲料を12回以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、心疾患や脳卒中により死亡するリスクが31%有意に高かった。(P0.0001)。また、習慣的に加糖飲料を摂取する人は、赤身肉や砂糖の摂取量が多く、果物や野菜の摂取量が少なかったほか、運動量が少なく、体重が多く、喫煙習慣がある確率が高い傾向がみられた。

しかし、これらの因子を調整した解析でも、加糖飲料の摂取とCVDによる死亡リスクとの間には関連性が認められた。

 この研究には参加していない米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)のスポークパーソンで管理栄養士のDebbie Petitpain氏は、「加糖飲料の摂取量を減らすことにデメリットはない」と述べている。

加糖飲料には炭酸飲料だけでなく、ジュースやスポーツ飲料、砂糖を加えたコーヒー飲料なども含まれ、「これらの飲料を水に替えるのが理想的だが、どうしても甘味を欲するのであれば、低カロリーの代替品を選ぶのがよい」と同氏は付け加えている。

 また、今回の研究では、11回の加糖飲料を人工甘味料入りのものに替えると、心疾患による死亡リスクは低減することも示された。ただし、人工甘味料入りの飲料を14回以上飲む女性は、全死亡リスクが高いことも明らかになった。

 この結果について、Malik氏は「人工甘味料に問題がある可能性は否定しないが、今回の研究では証明できない」と述べている。また、同氏によれば、原因と結果が逆で、減量や体調に問題があるために加糖飲料から人工甘味料入り飲料に替えた人もいた可能性があるという。

 Malik氏によると、この研究結果は、加糖飲料を摂取すること自体がCVDによる死亡リスクを高めることを証明するものではないとしている。

しかし、これまで多くの研究で、加糖飲料の摂取は体重増加や2型糖尿病、心疾患、脳卒中などのリスク上昇と関連することが示されており、同氏は「総合的にみればこれらの関連性は強く、今回の研究も加糖飲料はできるだけ避けるべきとするエビデンスの一つに数えられる」と述べている。

 米タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院教授で米国心臓協会(AHA)のスポークスパーソンを務めるAlice Lichtenstein氏は、専門家の立場から、人工甘味料入り飲料に関する今回の研究結果を説明するのは難しいとしつつも、「やはり、健康のためには水を飲むのが最も良い選択肢になるだろう」と述べている。

同氏は、もし水で物足りないならば、オレンジやライムのスライスを加えたり、加糖されていないフレーバー・ウォーターを試したりするのがよいと助言している。

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