同僚の評判が悪い執刀医に注意? 術後合併症リスクが高まる可能性

手術を受ける前には、周りの医師に、執刀医の評判を聞いてみた方がよいかもしれない―。同僚からプロらしからぬ言動についてクレームがあった外科医が執刀した患者は、術後に合併症を起こしやすいという研究結果を、米ヴァンダービルト大学医療センターのWilliamCooper氏らが「JAMA Surgery619日オンライン版に発表した。

 この研究は、全米で実施されている手術の質改善プログラム(National Surgical Quality Improvement Program)のデータを用い、20122016年に、202人の外科医が執刀した成人患者13,653人(平均年齢57歳、女性54%)を対象としたもの。外科医が手術を行う36カ月以前に、「プロらしからぬ振る舞い」について同僚から苦情を受けたか否かで、患者の術後合併症リスクを比較した。なお、苦情の対象とされた言動には、手術室での低レベルかつ危険な医療行為や、同僚に対する失礼な言動などが含まれた。

 その結果、普段の言動について同僚から苦情を受けた外科医が執刀した患者では、創傷感染症や肺炎、血栓症、腎不全、脳卒中、心筋梗塞など術後の合併症リスクが高いことが分かった。分析によると、苦情がなかった外科医が執刀した場合に比べて、13件の苦情が寄せられた外科医が執刀した患者では、術後の合併症リスクが18%高く、苦情が4件以上寄せられた執刀医の患者では、同リスクは32%高かった。

 一方、執刀した患者の死亡率や再手術の必要性、初回手術から30日以内の再入院率については、同僚からの苦情の有無で差はみられなかった。さらに、女性の外科医は男性に比べて、このような同僚からの苦情は全体的に少なかったという。

 Cooper氏は「外科チームのメンバーは、それぞれが最善の状態で手術に臨むことが求められる。今回の研究では、プロ意識に欠ける執刀医の言動が安全体制やチームワークを弱体化させ、医療ミスを誘発し、患者に有害な転帰をもたらすリスクを高める可能性について注目した」と説明している。

 今回の研究結果はこれらの関連を示したにすぎないが、同大学教授で医学教育と医療管理を専門とし、論文の最終著者を務めたGerald Hickson氏は、「チームを率いる立場にある人物がプロ意識に欠けていると、そのチームはチームとして十分なパフォーマンスを発揮できない」と話す。同氏によれば、これは常識的なレベルの問題であり、「礼儀に欠けた人物と情報を共有したり、アドバイスや助けを求めたりするだろうか、という話だ」と説明している。

 また、Hickson氏は「今後の調査で、言動について苦情を受けた外科医が患者やその家族、同僚との関わり方を改善した場合、それに伴って患者の術後の転帰が改善するかどうかを評価できるはずだ」と今後の展開に期待を示している。

[2019620/HealthDayNews]



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