喫煙が肺の血管塞栓術後の再発率と関連か

たばこの害がまた1つ明らかにされた。米メイヨー・クリニックのSanjay Misra氏らが「Radiology730日オンライン版に発表した研究によると、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)患者が肺動静脈奇形(PAVM、肺動静脈瘻とも呼ばれる)に対し塞栓術を受ける場合、患者が喫煙者であると、非喫煙者に比べ、再疎通などによりPAVMが残存するリスクが高くなる可能性があることが明らかになったという。

 PAVMは、肺動脈が毛細血管を介さずに肺静脈に接続する血管性病変で、オスラー病患者の3050%に生じるとされる。低酸素血症や労作時呼吸困難、脳膿瘍、脳梗塞などの合併症が生じた場合、血管内に挿入したカテーテルを通して細いコイルなどを送り込み肺動静脈瘻を塞栓する血管内治療が第一選択となる。これは成功率が非常に高い治療法だが、1525%の患者では塞栓術後の再疎通がみられるという。

 Misra氏らは今回、喫煙に起因する炎症が再疎通に関連している可能性を疑い、研究を実施。20001月〜20178月に計373カ所のPAVM塞栓術を受けたオスラー病患者103人を対象に、PAVMに対する喫煙の影響を調べた。対象者は、年齢の中央値が52歳、103人中39人(37.9%)が男性で、それぞれの初回PAVM塞栓術の日からの追跡期間は中央値で6.2年だった。

 その結果、喫煙とPAVM残存リスクとの間には関連が認められ、20 pack-yearpack-yearは喫煙歴と喫煙量の指標で、1日の喫煙箱×喫煙年数で計算する)を超える喫煙者では、5年間で3分の1以上(37.8%)に再疎通が認められたのに対し、非喫煙者での再疎通の発生率は12.2%であることが分かった。流入動脈径で調整して解析すると、20 pack-yearを超える喫煙者では非喫煙者に比べ、治療後にPAVMが再発するリスクがほぼ4倍であった。

 また、患者の報告に基づき塞栓術実施時点の喫煙状態でみた場合、日常的に喫煙していた患者では、5年間の再疎通の発生率は26.3%であったのに対し、喫煙していなかった患者では13.5%であった。

 これまでの研究で、喫煙は炎症および血管新生や血管リモデリングの異常と関連することが明らかにされている。Misra氏は「喫煙は炎症反応を引き起こす。喫煙経験のない人に比べ喫煙者では、炎症のため治療が成功しない確率が高まる可能性がある」と説明し、「オスラー病患者がなるべく余分な治療を避けたいのであれば、たばこを止めることが非常に重要である」と話している。

 そして、Misra氏らは、より規模の大きな研究で今回の研究結果が裏づけられれば、PAVMの塞栓術を検討しているオスラー病患者に対し、より良い助言を与えることができるようになるとの考えを示している。

[2019730/HealthDayNews]

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