多くの電子タバコ製品に病原菌が混入か、米調査

 電子タバコを使用する人は、ニコチン以外にも心配すべき物質があるかもしれない―。米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のDavid Christiani氏らが、米国で汎用されている75製品の電子タバコを詳細に調べたところ、多くの製品には真菌や細菌といった病原菌が混入している可能性が高いことが分かった。この研究結果は「Environmental Health Perspectives424日オンライン版に発表された。

 電子タバコは、装置内やカートリッジ内の液体(リキッド)を電気加熱して発生した蒸気を吸入するもの。今回、Christiani氏らが調査した電子タバコ製品のうち、37製品は使い捨てのカートリッジ式のもので、残る38製品は液体を補充できるタイプのものだった。

 これらの電子タバコ製品を詳細に調べたところ、どちらの種類の電子タバコにも、さまざまな物質とともにニコチンが添加されていた。しかし、75製品中17製品(23%)では、ニコチン以外にも細菌毒素が検出されたほか、61製品(81%)では、真菌の細胞壁の構成成分である「(1→3-β-D-グルカン」と呼ばれる物質の検査で陽性反応を示したことが分かった。

 また、こうした細菌や真菌の混入は、電子タバコ製品の種類にかかわらずみられたが、液体を補充できるタイプのものと比べると、カートリッジ式のものでは(1→3-β-D-グルカンが混入している割合が3倍以上であることも明らかになった。

 今回の研究結果にはChristiani氏自身も「驚いた」としているが、「電子タバコの使用者にどの程度の危険をもたらすのかは明らかになっていない」としている。同氏によれば、大量の細菌や真菌に長期間にわたり曝露すると、肺気腫や慢性気管支炎、喘息といった進行性の肺疾患の発症につながる可能性があるという。しかし、「今回の調査で電子タバコから検出された細菌や真菌の量は、化学製品であふれた職場環境で肺疾患を引き起こすとされるレベルと比べれば、はるかに低いものだった」と同氏は説明している。

 さらに、電子タバコだけでなく一般的な紙巻きたばこにも細菌や真菌の混入がみられ、その含有量は、今回の研究で検出された量よりも多いとされている。そのため、Christiani氏は「今回の研究で電子タバコ製品から検出された細菌や真菌の量が健康面で問題になるという科学的な根拠は、現時点では得られていない」と結論づけている。

 ただし、Christiani氏は「電子タバコの長期間の使用によって累積使用量が増えた場合や、細菌や真菌と電子タバコに含まれる他の物質との相互作用が起こった場合のリスクについては不明だ」とも指摘しており、「混入した物質や不純物を全て取り除けば電子タバコの安全性が高まるのかどうか、今後さらなる研究で検証する必要がある」と述べている。

 なお、専門家の一人で米国がん協会のVictoria Stevens氏もこれに同意し、「電子タバコ製品に含まれる物質がどのようなもので、使用者が曝露する物質は何であるのかを解明すれば、電子タバコのリスクを評価できるかもしれない」とコメントしている。また、同氏は、Christiani氏らの研究で電子タバコから検出された細菌や真菌は、家庭のハウスダストなどでも検出されるような一般的なものであることを指摘し、「現時点では、細菌や真菌が混入した電子タバコの使用を問題視すべきなのかどうかは判断できない」としている。

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