心疾患患者の3人に1人はインフルエンザワクチンを接種せず

インフルエンザはときに命に関わる危険な病気であり、毎年のワクチン接種が重要になる。特に、心疾患患者は、インフルエンザワクチンを接種すると心筋梗塞などの発症や死亡を予防できることが明らかになっている。しかし、米メッドスター・ヘルスの内科レジデントであるGowtham Grandhi氏らの調査で、米国の心疾患患者の約3人に1人はインフルエンザワクチンを接種していないことが分かった。研究結果は、米国心臓協会の年次集会(AHA 2019111618日、米フィラデルフィア)で発表された。

 この研究は、20082015年の医療費パネル調査(MEPS)データを用いたもの。心筋梗塞や脳卒中などの既往がある40歳以上の男女15,000人以上を対象に、インフルエンザワクチンの接種率について調べた。

 その結果、過去1年間に、患者の約3人に1人はワクチンを接種していないことが分かった。ワクチンの未接種率は、医療保険に加入し、定期的に医療サービスを受けている患者では約30%だったのに対し、保険未加入の低所得層者では65%に上っていた。

 Grandhi氏は「心疾患患者は、インフルエンザに罹ると合併症や死亡リスクが高まる。インフルエンザワクチン接種の有益性について、心疾患患者への教育を徹底する必要がある」と述べている。

 一方、責任研究者である米ヒューストン・メソジスト病院、ドベイキー心臓血管センターのKhurram Nasir氏は「この研究結果は、インフルエンザワクチン接種率の格差に光を当てたものだ」と説明。「今後は、このような格差の原因となっている患者側と医療制度上の要因を明らかにし、これらの課題を克服するための介入法に重点を置いて研究を進めていくべきだ」と述べている。

 さらに、Grandhi氏は「心臓専門医とプライマリケア医、その他の臨床医は、インフルエンザの流行が始まる前に、患者とワクチン接種について話し合い、定期受診の中でワクチン接種を受けるように促していく必要がある」と述べ、「可能であれば、予約がなくても患者にワクチン接種を提供すべきだ」と付け加えている。

 なお、学会発表された研究結果は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[20191113/HealthDayNews]



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