性的パートナーの数が多い人はがんリスクが高い?

これまでの人生で性的関係を持った人の数が多い人は、がんリスクが高い可能性があるとする研究結果を、英アングリア・ラスキン大学のLee Smith氏らが「BMJ Sexual & Reproductive Health213日オンライン版に発表した。生涯の性的パートナーの数が10人以上の人は、それよりも少ない人と比べて、がんと診断される率が高かったことが示されたという。

 Smith氏らは、英国の50歳以上の男女を長期にわたって追跡調査しているELSAEnglish Longitudinal Study of Aging)研究のデータを利用して、性的パートナーの数と自己報告に基づくがんの診断との関連について検討した。研究参加者は、20122013年に性的パートナーの数に関する質問に回答した5,722人(男性2,537人、女性3,185人)。平均年齢は64歳で、約4人中3人が既婚者だった。また、性的パートナーの数が01人と報告した人の割合は、男性で28.5%、女性で41%弱、10人以上と報告した人の割合は、男性で22%、女性で8%弱であった。

 解析の結果、性的パートナーの数を10人以上と報告した女性は01人と報告した女性に比べ、がんと診断されていた率が91%高かった。男性でも同様の傾向が認められ、性的パートナーの数を10人以上と報告した男性は01人と報告した男性に比べ、がんと診断されていた率が69%高く、また、24人と報告した人に比べ57%高かった。

 この結果についてSmith氏は「以前の研究で、一部の性感染症(STI)がいくつかの種類のがんのリスクを上昇させ得ることが報告されていたため、このような結果が出ることは予想していた」と話す。そして、「実際、性的パートナーの数が多いほどSTIに罹患する確率は高まる」とした上で、「性的パートナーの数が多い人でがんリスクが上昇する主な要因はSTIである可能性が高い。一方、我々の研究では、性的パートナーが多い人には喫煙や飲酒などのがんリスクを高め得る行動が多く見られる傾向があった」と説明している。

 また、性的パートナーの数とがんリスクとの関連に男女差が認められた点については、「男性よりも女性でがんリスクが高いという結果は興味深い。これは、HPVによるリスクの上昇度は、男性の陰茎がんよりも女性の子宮頸がんの方が高いことからも分かるように、女性では一部のSTIとがんがより強く関連しているからではないか」と考察している。

 この研究には関与していない、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学産婦人科・生殖科学准教授のKonstantin Zakashansky氏は「興味深い研究ではあるが、性体験とがんの診断歴はいずれもデリケートな問題であるため、研究参加者が正確に回答したかどうか疑問が残る。また、記憶に頼った回答である点からも不正確さは免れず、結果に歪みが生じている可能性もある」として、今回の研究から有意義な結論を導き出すことは難しいとの考えを示している。

 米国がん協会(ACS)のMia Gaudet氏は、Zakashansky氏の指摘に同意しながらも、「既にHPVB型肝炎ウイルスなどががんリスクを高めることは知られているが、今回の研究結果は全般的にそれを支持するものであり、今後、さらに検討する必要性が示されたといえる」とコメント。また、「セクシュアルヘルスはタブー視されることが多く、これまで十分に検討されてきたとは言えない。今回の研究は完璧ではないが、この研究分野について情報を得る際には有用だ」と話している。

[2020213/HealthDayNews]



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