“意外な食品”が腹部膨満感の原因?

食後の腹部膨満感は、繊維質の多い食事ではなく、“意外な食品”が原因かもしれない―。米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のNoel Mueller氏らの研究から、塩分を取り過ぎた時に、腸が過剰に反応して腹部膨満感を引き起こしている可能性が示された。同氏は「減塩は、腸内ガスの発生を防ぎ、腹部膨満感の症状軽減に効果的なだけでなく、健康的で食物繊維が豊富な食事を続けるのにも役立つ可能性がある」と述べている。研究の詳細は「American Journal of Gastroenterology7月号に掲載された。

 この研究は、19981999年に実施された大規模試験、DASH-Sodium試験のデータを用いたもの。この試験では、健康な成人を対象に、高血圧の予防や改善を目的とした食事療法であるDASH食(低脂肪で繊維質、果物、ナッツ類、野菜を豊富に取り入れた食事)群または食物繊維が少なく、脂肪が多い平均的な食事を取る群にランダムに割り付け、塩分摂取や他の因子が高血圧に与える影響を調べた。今回は計412人(平均年齢48歳、女性57%)を対象に解析を行った。

 ベースライン時に、参加者の36.7%が腹部膨満感を訴えており、その症状は女性に比べて男性で強かった。また、食事内容にかかわらず、塩分の摂取量が多い人では腹部膨満感を生じる確率が27%高いことが分かった。一方で、塩分摂取量を減らすと腹部膨満感の症状が軽減することも示された。

 塩分が腹部膨満感を引き起こす機序は明らかになっていないが、Mueller氏は、「塩分の摂取量が多いほど体内に水分が貯留され、消化効率が低下して腸内でガスが発生し、腹部膨満感が引き起こされる可能性がある」と説明する。また、同氏によれば、マウスを用いた実験で、食事に含まれる塩分は腸内細菌の組成を変化させる可能性が示唆されており、そのことが腸内ガスの発生につながっているとも考えられるという。

 これらの結果を踏まえ、Mueller氏は「加工食品を避け、食事からの塩分摂取量を減らすことが腹部膨満感の症状軽減に役立つかもしれない」と述べている。米国では成人の3人に1人が腹部膨満感を抱えており、過敏性腸症候群の患者ではその割合は90%以上に上るとみられている。

 専門家の一人で、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏によると、腹部膨満感の原因には、乳糖不耐症やセリアック病、小腸内細菌異常増殖症、感染症などが挙げられる。症状が長引く場合には医師の診察を受ける必要があるが、症状自体は珍しいものではないという。なお、過剰な腸内ガスの発生を抑えるため、同氏は、以下の方法を勧めている。

・定期的に運動する。
・ファストフードや冷凍食品、ジャンクフード、揚げ物などの加工食品を避ける。
・十分な水分を摂取する。炭酸飲料は避ける。
・野菜やマメ類、全粒穀物など食物繊維が豊富な食品を食べる。ただ、少しずつゆっくりと食べ、こまめに水分を取る。
・全体的に食事量を控えめにする。

[201973/HealthDayNews]









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