慢性閉塞性肺疾患の症状は女性の方が強い?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、男性よりも女性の方が症状は強く、生活の質(QOL)も低い傾向がみられることが、米ワシントン大学医学部のAllison Lambert氏らによる研究で示唆された。この研究結果は、米国胸部学会(ATS 201951722日、米ダラス)で発表された。

 COPDの主な原因は喫煙であるが、女性は男性よりも喫煙量が少ないことが報告されている。Lambert氏らは、前向き研究に参加したCOPD患者1,832人を対象に、COPDの罹患率や症状の強さ、QOLを男女間で比較した。なお、対象患者の42%は女性だった。

 対象患者の年齢や喫煙状況、人種、1秒率(FEV1.0%)には男女差はみられなかったが、女性では男性に比べて喫煙量が少なかった。分析の結果、男性に比べて女性では、全般的または呼吸特異的なQOLが低く、6分間の歩行距離が短いことが分かった。また、女性では6分間歩行テストで低酸素血症になりやすく、呼吸困難の頻度も高く、急性増悪を来しやすいことも示された。

 Lambert氏は「女性は男性よりももともと肺機能レベルが低く、COPD症状の影響を受けやすいと考えられる。医師は、女性の方がCOPDは増悪しやすい可能性があることを十分認識しておく必要がある」と述べている。

 Lambert氏らによれば、COPD患者の半数は女性が占めており、その割合には近年、増加がみられるという。また、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきたCOPDは、いったん発症すると肺や気管支の機能が元のレベルにまで回復することはなく、治療法も確立されていない。

 さらに、有害な化学物質などの環境因子もCOPDの発症原因になる。米国肺協会(ALA)によると、米国国内の死亡原因の第三位をCOPDが占めているという。

 この結果を受け、Lambert氏は、COPD患者では男性よりも女性の方が重症度が高い可能性が考えられるとして、「今後行われる臨床試験には、より多くの女性を対象に含めることが望ましい」と述べている。

 この研究には関与していない米レノックス・ヒル病院の肺専門医であるLen Horovitz氏は「今回の研究は、患者の自己申告に基づいているため、データの信頼性が低い可能性がある」と指摘。自己申告した症状を定量化することは一般には難しく、「今回の結果は、COPDの重症度の本質的な男女差を明らかにしたものではない」との見方を示している。

 一方で、Horovitz氏は「もしCOPDの増悪が女性でより高頻度にみられるのであれば、ホルモン要因や他の文化的な背景が関与している可能性も否定できない」とし、男女差を明らかにするためにも、さらに研究を重ねる必要があると述べている。

 なお、学会発表された研究結果は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2019522/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved



疾患における罹患率は、性別の違いや年齢などだけでは断定できない事から考えても身体機能は個々人での違いがある事などは、現在の遺伝子研究などでも明らかにされている事です。

同じ症状だからといって同じような処方箋のみでケアする治療方法の限界点なのかもしれません。

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