植物性食品をよく食べる人は糖尿病リスクが低下

11個のリンゴで医者知らず」ということわざがあるが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のQi Sun氏らの研究により、植物性食品中心の食生活を送っている人ほど2型糖尿病のリスクが低くなる可能性が示された。詳細は「JAMA Internal Medicine722日オンライン版に発表された。

 研究グループは、20192月までに発表された論文のシステマティックレビューを行い、抽出された9件の前向きコホート研究についてメタ解析を実施した。総計30万人以上の対象者のうち追跡中に約24,000人が2型糖尿病を発症していた。

 対象者の食事摂取状況を分析したところ、植物性食品を主に摂取している人ではそうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが23%低かった。さらに、野菜や果物、豆類、ナッツ類、全粒穀物など、食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質などを含む健康的な植物性食品を摂取している人ではその関連がより強く、糖尿病のリスクは30%低下していた。

 なぜ植物性食品を中心とする食生活が2型糖尿病のリスクを低減するのか、その因果関係まで今回の研究で明らかにすることはできない。しかしSun氏は「植物性食品を中心とする食生活には2型糖尿病のリスクを減らす大きな効果がある」と述べている。

 リスクが低下する機序の一つとして、体重の関与が考えられる。つまり、総摂取量に占める植物性食品の割合が多いことが、減量や肥満防止につながり、結果として2型糖尿病リスクが抑制された可能性がある。ただし今回の研究においてはBMIによる調整後も、植物性食品中心の食生活と2型糖尿病リスク低下との関連性は保たれていた。

 この点についてSun氏は「抗酸化物質や健康に良い植物性油脂により、インスリン感受性が向上したり、炎症が抑制された可能性もある」と指摘している。また植物性食品の摂取比率が高いということは動物性食品の摂取量が少ないということであり、結果的にコレステロールや飽和脂肪酸、塩分など健康に良くない成分の摂取量が減ることになる。

 米コロンビア大学の管理栄養士で糖尿病療養指導士であるMaudene Nelson氏は、「植物性食品中心の食事と聞くと大量のブロッコリーを食べるような食生活を思い描く人がいるかもしれないが、リンゴやピーナッツバターといったシンプルな食品、あるいは野菜がたくさん入ったスープ料理、肉より野菜が多いケバブなど、魅力的な選択肢がたくさんある」と助言している。またタンパク源としては、鶏肉であれば1日に6オンス(約170g)以下の摂取を推奨している。

 Sun氏もまた「健康的な食生活を守るために、厳格なビーガン(完全菜食主義者)やベジタリアンになる必要はない。魚や鶏肉、ヨーグルトなどを適切に摂取することも健康的な食生活の一部である」と説明している。

[2019725/HealthDayNews]

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