経皮吸収型抗精神病薬の理論的根拠と現状

イタリア・ボローニャ大学のAngela Abruzzo氏らは、現在承認されている抗精神病薬の概要、主な利点を調査し、経皮吸収製剤の開発における理論的根拠について報告を行った。CNS Drugs誌オンライン版201996日号の報告。

 過去10年間に公表された論文、特許、臨床試験を検索し、経皮吸収型抗精神病薬に関する研究の進展について調査を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・経皮吸収型抗精神病薬に関する利用可能なデータは、剤型の特徴、薬物吸収促進効果に焦点を当て報告、議論がなされていた。
・現在、多数の抗精神病薬が承認されているにもかかわらず、経皮吸収システムによる開発が行われている薬剤は、アリピプラゾール、アセナピン、ブロナンセリン、クロルプロマジン、ハロペリドール、オランザピン、プロクロルペラジン、クエチアピン、リスペリドンなど一部の薬剤のみであった。
・いくつかの研究や特許では、抗精神病薬の臨床的有用性を拡大する目的で、クリーム、フィルム、ゲル、ナノシステム、パッチ、液剤、スプレーなどの経皮吸収製剤が評価されていることが示唆された。
・とくに、ナノ粒子/小胞の使用や浸透促進剤、イオン導入によるマイクロニードルなどさまざまな戦略の使用は、抗精神病薬の経皮吸収を改善させる可能性がある。
・しかし、経皮吸収型抗精神病薬に関する臨床試験はほとんど行われておらず、アセナピンやブロナンセリンにおいて、薬物動態、有効性、忍容性に関して、興味深い臨床結果が示されている。
2019618日、日本において統合失調症治療薬としてブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤が承認され、2019910日に発売された。
・ブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤は、11回(通常用量:40mg、最大用量:80mg)胸部、腹部、背部のいずれかに貼付することにより24時間安定した血中濃度を維持できるため、良好な有効性および安全性が期待できる薬剤である。
・また、テープ製剤は、貼付の有無や投与量を視認できるメリットに加え、食事の影響を受けにくいことから、食生活が不規則な患者や経口投与が困難な患者にも使用可能である。 ]

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