経皮的磁気刺激は脊損に貢献できるのか?

2018822HealthDayNews

Scientific Reports822日オンライン版より

脊髄損傷後に自力で排尿できなくなり、自己導尿カテーテルを使用していた患者に対し、経皮的に脊髄に磁気刺激を加える非侵襲的な治療(経皮的磁気刺激)によって膀胱の機能が改善したとする小規模な研究の結果が発表された。

この研究では、経皮的磁気刺激を実施後、全ての対象者でカテーテルを使用せずに排尿できる頻度が高まったという結果をもたらしたとのこと

この研究は米カリフォルニア大学ロサンゼルス校脳神経外科学准教授のDaniel Lu氏らが実施したものです。

この研究では、脊髄損傷の男性患者5人を対象にして、磁気刺激装置を用いて下部脊髄に磁気刺激を加える治療を週1回のペースで16回、4カ月間行った。1回の治療時間は15分で、Lu氏らによると治療に伴う痛みはないとのこと

 その結果、4回の治療を終えた時点で、対象者の膀胱機能は目に見えて改善し始めることとなる

「磁気刺激による治療期間中に、全ての対象者は、ある程度は自分で排尿できるようになっていた。このうち1人の男性は導尿カテーテルを使用しなくても排尿できる状態まで回復し、その効果は治療が終わってから2週間後まで続いていた」とLu氏は説明する。

なお、残る4人では少なくとも11回は導尿カテーテルを使用する必要があったが、治療前の使用回数は平均6回以上だったことから、その使用頻度は大幅に低下した結果になった

なぜ脊髄への磁気刺激によって膀胱の機能が回復したのだろうか。この点について、Lu氏は「脊髄損傷患者の多くは、脊髄が解剖学的に完全に損傷しているわけではなく、脳とのつながりは弱いながらも残存している。この残っている弱いシグナルを増幅させ、それに応える脊髄の機能を増強することで膀胱の機能を回復させるのが、この治療法だ」と解説する。

今回の研究結果について、Lu氏は「軽度な磁気刺激を与える治療をたった4回行っただけで、5人の患者全てでポジティブな効果が認められたことをうれしく思っている」と話している。

またその効果は治療終了後2週間で徐々に消失したことに言及し「これは脊髄の神経回路に治療の“記憶”が残るからではないか」とする見方を示している。

米国には約25万人の脊髄損傷患者がいると推計されるが、その80%以上は自力で排尿できない状態にあり、導尿カテーテルの使用が必要となる。しかし、長期にわたる導尿カテーテルの使用には生活上の不便さだけでなく感染リスクも伴う。

Lu
氏らは現在、脊髄損傷患者を対象に磁気刺激による膀胱機能の改善効果を検証するための大規模な研究を計画中です

なお、磁気刺激装置は既に米食品医薬品局(FDA)により承認されているが、今回の研究で検討された使用法はまだ実験段階のものであるというのが現状である

神経活動と脊柱ミスアライメントとの関係性をもとに、臨床において様々な治療方法を安全な範囲で検証し、必要ならばしかるべきアジャストメントを施すというカイロプラクティックケアの立場から考えてみますと、非常に意義のある研究報告であると思います。

この研究ではおそらく、磁気刺激はその刺激によって脊髄神経に何らかの神経細胞レベルでの改善を促すのだろうと想像できます

カイロプラクティックでは、患者さんの病理を引き起こすような神経活動の低下が改善するのならば、投薬治療でもよいし、リハビリでもしかり、ましては非侵襲的である経皮通電療法などはより推奨されるべき治療法方法であると考えますので

このような経皮通電療法と損傷した神経活動の改善方法がよりシステマティックに行われることを望みます。

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