肥満は「運命」ではない!?

肥満は遺伝によって定められた運命ではないことを示唆する報告が「JAMA Cardiology18日オンライン版に掲載された。

 遺伝子の研究が進歩したことで、さまざまな病気の発症と遺伝子の関連が明らかになった。そのような情報が社会に広がるにつれ、過体重や肥満はDNAのせいであって逃れることはできないと多くの人が考えるようになってきた。しかし今回の報告によると実際はそうでなく、はるかに大きな役割を果たしているのは日常生活の送り方だという。

 この研究は、若年成人の冠動脈疾患リスク因子を探索している「CARDIA研究」のデータを用いて行われた。19852010年にわたり20歳代の米国人2,517人(白人1,608人、黒人909人)を25年以上追跡して、遺伝的背景が肥満リスクに及ぼす影響を検討。遺伝的背景の評価には、DNA情報と疾患発症の事例を多数検討することでその関連の強さを遺伝統計学的に点数化した「多遺伝子リスクスコア(PRS)」という指標を用いた。

 ベースラインにおける平均BMI24.2±4.5であったものが、25年後には29.6±6.9に増加していた。このBMIの変動に関連する3つの因子(年齢、性別、および親の過体重・肥満歴)にPRSを追加し、白人のデータを用いて解析すると、ベースライン時のBMI11.9%、25年目のBMI13.6%を説明すると計算された。黒人はPRS追加による説明力の上昇が白人よりも少なかった。

 一方、PRSのかわりにベースライン時のBMIの値を前記3因子に追加すると、25年目のBMI52.3%まで説明できることが分かった。さらにBMIの経時的な変化を情報として追加した場合、25年目のBMIを最大80%程度まで説明可能と計算された。

 この研究を主導した米ミシガン大学のVenkatesh Murthy氏は、「われわれは、日常診療で手軽に入手できる臨床データに遺伝子データを追加することの効果を知りたかった。結果として、肥満の発症に対して遺伝子がある程度影響することは明らかだが、影響力は他の因子の方がより強いことが分かった」と結論づけた。つまり、若年期のBMIが肥満リスクの最良の予測因子だということだ。同氏はまた「BMIの計算は、遺伝子検査よりはるかに容易であり安価である」とも語っている。

 研究指導著者である米ハーバード大学のRavi Shah氏は、「遺伝的リスクは、肥満の原因となる希少な遺伝子を受け継いだ人においてのみ重要なのかもしれない。大多数の人にとっては健康的な食事や活動的な生活などの普遍的な推奨事項の方が重要だ」と述べている。

[202018/HealthDayNews]



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