肺がん患者の7割が合併。悪液質の実態

がん悪液質は、がん克服の重要な課題の1つとされており、肺がんでは死亡率上昇との関連も指摘されている。悪液質の定義と分類については2011年に、主に体重減少、サルコペニア(骨格筋量減少)、炎症および食欲不振に基づくものとの国際的なコンセンサスが発表されているが、フランス・パリ・サクレー大学のSami Antoun氏らは、非小細胞肺がん(NSCLC)患者について初となるFearon基準に基づく分類を試みた。その結果、Fearon悪液質ステージ分類と、QOLの機能尺度および身体活動レベルはリンクしており、早期の悪液質を臨床的に検出するのに役立つ可能性が示されたという。Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle誌オンライン版201941日号掲載の報告。

 研究グループは、Fearonらの基準と定量化パラメータを用い、NSCLC患者の悪液質のステージ分類を行う目的で、横断的な非介入の多施設共同研究を行った。NSCLC患者集団における悪液質の分布と、NSCLCの分子異常と悪液質の関連を示す初の研究である。

 L3CTスキャンにて骨格筋量を評価するとともに、患者にFAACTFunctional Assessment of Anorexia/Cachexia Therapy)質問票の食欲不振/悪液質サブスケール、EORTC QLQ-C30、および国際標準化身体活動質問票(International Physical Activity QuestionnaireIPAQ)に回答してもらい、分析評価した。

 主な結果は以下のとおり。

56施設から531例が登録され、312例が骨格筋量の測定を受けた。
・患者背景は、男性が66.5%で、平均年齢は65.279.9%がPS 01で、StageIIIB/IV87.3%と大半を占めた。
・患者の38.7%が悪液質、33.8%が前悪液質、0.9%が不応性悪液質であった。
・腫瘍の分子プロファイルは、悪液質の存在と有意に関連した。
EGFRALKROS1BRAFまたはHER2陽性患者では悪液質の併存が23.9%であったが、K-RAS陽性では41.4%、分子異常のない患者では43.2%であった(p0.003)。
・悪液質のステージが進行しているほど、QOLp0.001)とIPAQp0.001)の機能尺度が低下した。
・サルコペニアは、悪液質の66.7%、および前悪液質患者の68.5%にみられた。
・前悪液質の患者の43.8%は、わずかな体重減少(2%以下)を伴うサルコペニアのみで、食欲不振はなかった。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です