自分の動脈硬化病変を見せられると生活習慣病が改善する(佐田 政隆 氏)

急性心筋梗塞は、狭心症を生じるような高度の冠動脈の動脈硬化病変が進行して完全閉塞することで生じると従来考えられていた。

しかし、最近の研究によると、67割の急性心筋梗塞の原因は、軽度な内腔の狭窄しか来さない動脈硬化病変の破裂やびらんに起因する急性血栓性閉塞であるとされている。

急性心筋梗塞は発症してしまうと突然死につながる怖い病気であるが、その多くは前兆がなく、発症を予知することは困難である。

 ヒトの動脈硬化は、従来考えられていたよりかなり早期に子供の頃から始まり、生活習慣病のコントロールが悪いと無症状のうちに進行して、突然心血管イベントを誘発することが多くの研究で示されている。

そこで、将来の心筋梗塞の発症を防ぐためには、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のコントロールや禁煙といった1次予防が重要である。

しかし多くの人は、食事などの生活指導、運動指導、場合によっては薬物療法を行っても、現在は痛くも痒くもないため、アドヒアランスは悪く改善に結びつかない。

 そこで、現場の先生方にお尋ねすると発症してしまうと突然死になることを話したり、実際の頸動脈エコーでプラークの存在を見せるなど、工夫を凝らしておられる経験をお聞きする。しかしどのような生活指導、服薬指導が効果的であるのか、エビデンスがないのが現状であった。

 このスウェーデンで約3,500例を対象に1年追った、オープンラベルの無作為化比較試験では、頸動脈の中膜複合体や無症候性のプラークといった頸動脈エコー所見を、血管年齢を色分けするわかりやすい図を用いて説明して、看護師が電話で理解していることを確認した。

一方対照群では通常の方法で生活指導、服薬指導をした。1年後のフラミンガム・リスクスコア(FRS)と、欧州のSCOREsystematic coronary risk evaluation)は、介入群で有意に改善していた。生活習慣の改善もあったと思われるし、服薬のアドヒアランスも向上したと思われる。

 やはり、無症状でも自分の動脈硬化が思いのほか進行しているのを見せつけられると、生活習慣病治療へのモチベーションが上がると思われる。

日本では、日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、4074歳までの人を対象に特定健診が行われて、特定保健指導が行われている。

しかし、必ずしも効果を上げているとは言えない。生活習慣病に有効に介入することで、心筋梗塞の発症はもっと低下させることができるはずである。今回の研究などが積み重なって、有効な1次予防の方法が確立することを期待する。

今まで考えられてきた「急性心筋梗塞の原因」は血栓などによる心血管の閉塞だけでなく、血管内壁のびらんによるものが7割を占めているという発見のようです。

ちなみにびらんとは壊死をおこした組織が融解したり,その部分が剝離(はくり)したあとの臓器の表面にできた組織欠損部のごく浅いものを糜爛(びらん)というとのことのようです。

つまり血管が完全にふさがっていない血管内壁のびらんした組織がある状態でも急性心筋梗塞が起こりえるという事が明らかになったようです。

心筋梗塞のような症状は、心臓にかかわる血管自体がけいれんを起こすことによる胸痛などによる激しい症状などが出るのが特徴です。

正常な血管内壁細胞を保つという事を考えてると、過度な高血圧症や病的な高コレステロール症などにならない事が重要。

普段からの健全な食生活を見直したり、モータリゼーションの発達した現社会においては、適度な持続的エクササイズなどを行う事で、心血管病理の予防に努める事が私も含めベターな事なのでしょう。

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