透析導入前でも皮膚の痒みに悩む慢性腎臓病患者は多い

慢性腎臓病(CKD)患者の多くは、透析を導入していなくても皮膚の痒みに悩まされていることが、米ミシガン大学アナーバー校のNidhi Sukul氏らにより報告された。詳細は「Clinical Journal of the American Society of Nephrology411日オンライン版に掲載された。

 この研究は、CKD患者の転帰や診療に関する横断研究「CKDoppsCKD Outcomes and Practice Patterns Study)」のデータを用いたもの。研究に参加した米国とブラジル、フランスにおける透析導入前の中等症から重症(ステージ35)のCKD患者5,658人のうち、皮膚の痒み(皮膚掻痒症)に関するアンケートに回答した3,780人(67%)を対象に分析した。

 その結果、対象患者のおよそ4人に1人(24%)が中等症から重症の皮膚の痒みを抱えていることが分かった。その有病率は、特に高齢者や女性、ステージ5CKD患者、肺疾患や糖尿病、医師が診断したうつ病を併存した患者で高かった。

 また、中等症の皮膚の痒みを訴える患者では、痒みのない患者に比べて精神的、身体的な生活の質(QOL)が低く、睡眠障害や患者が報告したうつ病である確率も高かった。さらに、痒みの重症度が高いほど、これらの問題は深刻であることも明らかになった。

 Sukul氏は「慢性疾患の管理の主な目標は症状の緩和であるが、患者が耐えている苦しみが明らかにならないと、われわれ医療者は対応できない」と述べている。その上で、「今回の研究から、CKD患者の診療では、皮膚の掻痒の有無やその程度について尋ねることがいかに重要であるかが国際的な視点で示された」と説明している。

 Sukul氏によると、一部の薬剤はCKD患者の掻痒に関連した症状を改善することが示されているが、掻痒に対する有効な治療法は確立していない。しかし、同氏は「掻痒が患者に苦しみやQOLの低下をもたらしていることを医療者側が認識することで、患者は医師に話を聞いてもらえていると安心感を得ることができ、治療法について話し合う上で患者と医師の関係も強固なものになっていくだろう」と話している。

副腎皮質ホルモンの分泌減少で皮膚炎になるメカニズムは医療研究で明らかにされている事実だと思われますが、腎臓機能低下と副腎機能低下が同時に起きているCKDであるならば、このような皮膚炎を引き起こす因子なのかもしれません。

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