食事由来の抗酸化能と2型糖尿病発症との関連は?―JPHC研究

ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を多く摂取すると、酸化ストレスが低下し、2型糖尿病になりにくいとの報告がある。しかし、今回、食事由来の抗酸化能が高くても糖尿病の予防にはつながらないとする研究結果を、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが「Nutrition329日オンライン版に発表した。

 研究グループは今回、ベースライン時(1990年および1993年)に全国11地域に在住した4069歳の男女のうち、研究開始から5年後の調査時点で糖尿病やがん、循環器疾患の既往がなかった64,660人(うち男性が27,809人)を前向きに5年間追跡した。食事全体の抗酸化能は、公表されている各食品の抗酸化能に関するデータベースを用い、鉄還元抗酸化能(FRAP法)、酸素ラジカル吸収能(ORAC法)および総ラジカル捕獲抗酸化能(TRAP法)の3つの手法で算出した抗酸化能の値を各食品に割り当て、摂取量を掛け合わせて合計した値で評価した。

 研究開始から5年後に実施したアンケート結果を用いて、食事由来の抗酸化能の値を算出したところ、抗酸化能に最も寄与した食品は「緑茶」で、「果物類」と「野菜類」が続いた。また、その後5年間に男性は692人、女性は499人が新たに糖尿病と診断されていた。次に、参加者を食事由来の抗酸化能の値(FRAPORACおよびTRAP)でそれぞれ4つの群に分けて解析した結果、これらの値と糖尿病発症との間には有意な関連は認められなかった。参加者をさらに性や喫煙習慣、肥満の有無で分けて解析しても結果は変わらなかった。

 これらの結果を踏まえ、研究グループは「食事由来の抗酸化能と糖尿病発症との関連は認められなかった」と結論。過去にフランス人女性を対象に実施した研究とは結果が異なった点については、「その理由は明らかではないが、追跡期間の違いや食事由来の抗酸化能に寄与する食品が異なるためかもしれない」と説明し、今後さらなるデータの蓄積が必要だとしている。

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