食品添加物が肥満や糖尿病の原因に?

パンや洋菓子、チーズなどの保存料として広く用いられる食品添加物のプロピオン酸を摂取すると、肥満や糖尿病の発症につながる代謝反応が引き起こされる可能性があることが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院教授のGokhan Hotamisligil氏らによる研究から示された。詳細は「Science Translational Medicine424日オンライン版に発表された。

 食品添加物であるプロピオン酸は、腸内で自然に産生される脂肪酸で、かびの増殖を抑えて加工食品の保存性を高めるとされる。今回の研究では、まず、マウスに少量のプロピオン酸を溶かした水を与えたところ、摂取直後から肝臓のグルコース産生を促す3種類のホルモンの値が上昇したことが分かった。プロピオン酸を長期にわたり与えたマウスでは体重が増加し、2型糖尿病の発症につながるインスリン抵抗性を示すようになったという。

 次に、14人の健康な成人を対象に、加工食品1食分に含まれるのと同等量のプロピオン酸またはプラセボを含む食事を摂取する群に無作為に割り付けて比較する二重盲検のランダム化比較試験を実施した。その結果、プロピオン酸を摂取した群では、プラセボを摂取した群に比べて血糖値を上昇させるホルモンの分泌が促進され、血中インスリン値も上昇したことが明らかになった。

 しかし、今回の研究は、プロピオン酸を含む食品を摂取すると体重の増加や糖尿病になるリスクが高まることを証明するものではなく、「プロピオン酸が健康に有害ということではない」とHotamisligil氏は強調する。また、同氏は、ヒトが食事で体内に取り込むさまざまな「分子」による影響については、科学的なエビデンスが不足していることを指摘している。

 加工食品の摂取では、砂糖や塩分、トランス脂肪酸などの取りすぎが懸念されるが、加工食品には米食品医薬品局(FDA)が「一般的に安全と認められる(GARS)」と認定した多くの食品添加物も含まれている。しかし、Hotamisligil氏によれば、GARSと認定されていても、添加物が代謝に影響するメカニズムについてはほとんど明らかになっていないという。

 今回の研究には関与していない米マウントサイナイ・アイカーン医科大学内分泌学のEmily Gallagher氏は「食品に含まれるごく少量の添加物が代謝に有害な影響を与えている可能性がある」として、食品添加物による代謝への影響を深く研究することが重要だと指摘している。一方で、同氏は、今回の結果を受けてプロピオン酸を非難するのは時期尚早であり、「ヒトの健康への影響を明らかにするには、より長期にわたる研究を行う必要がある」と述べている。

 さらに、Gallagher氏は、肥満や糖尿病のリスクには、食事全体や運動を含めた数多くの要因が影響するため、現時点では「加工食品の摂取を避け、健康的で自然のままの食品を選ぶとよい」と助言している。

[2019424/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay

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