食物繊維とヨーグルト、肺がんの発症リスクを低下?

いわゆる善玉菌の栄養源である「プレバイオティクス」と、善玉菌を含む食品である「プロバイオティクス」の摂取は、いずれも有益なのか。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのJae Jeong Yang氏らは、代表的な食品成分として、プレバイオティクスの「食物繊維」と、プロバイオティクスの「ヨーグルト」の摂取と肺がんリスクとの関連を調べた。欧米およびアジアで実施された前向きコホート研究10件のプール解析の結果、食物繊維とヨーグルトの摂取は、既知のリスク因子調整後および非喫煙者において、肺がんリスクの低下と関連することが示されたという。食物繊維もヨーグルトも、腸内微生物叢および代謝経路の調節を介してさまざまな健康上の有益性をもたらすことは知られているが、肺がんリスクとの関連についてはこれまで十分に検討されていなかった。結果について著者は、「プレバイオティクスとプロバイオティクスの肺がん発症に対する潜在的な予防機能を示すものであった」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版20191024日号掲載の報告。

 研究グループは、欧米およびアジアで実施された前向きコホート研究10件、合計1445,850例(成人)について、201711月~20192月にデータ解析を行った。

 主要評価項目は、肺がん(腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんの組織型に分類)の発症。食物繊維ならびにヨーグルトの摂取量は検証済みの調査票で測定し、参加者個々のデータを用いて食物繊維ならびにヨーグルトの摂取と肺がんリスクとの関連について、Cox回帰分析により各コホートで、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推算するとともに、ランダム効果メタ分析により統合した。

 主な結果は以下のとおり。

1445,850例の内訳は、男性627,988例(平均年齢:57.9歳)、女性817,862例(54.8歳)であった。
・追跡期間中央値8.6年における肺がんの発症記録は、18,822件であった。
・食物繊維の摂取量が最低五分位群に対する最高五分位群のHR0.8395CI0.760.91)、ヨーグルトの摂取ゼロ群に対する同最高群のHR0.8195CI0.760.87)であった。
・食物繊維またはヨーグルトの摂取と肺がんとの関連は、非喫煙者において顕著であり、性別、人種/民族および腫瘍組織型にかかわらず一貫して観察された。
・食物繊維とヨーグルトの摂取を合わせて検討した場合、食物繊維もヨーグルトも摂取量が最も高い群では、食物繊維の摂取量が最も少なくヨーグルトをまったく摂取しない群に比べ、肺がんのリスクが30%以上低下し(全体のHR0.6795CI0.610.73]、非喫煙者のHR0.6995CI0.540.89])、潜在的な相乗効果が示唆された。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です