骨密度測定は高齢者におすすめ

20192「日本抗加齢学会」メディアセミナー(理事長:堀江 重郎)より

年をとったら骨密度測定でロコモの予防

「知っておきたい運動器にかかわる抗加齢王道のポイント」をテーマに運動器について、石橋 英明氏(伊奈病院整形外科)が説明を行った。

 厚生労働省「国民生活基礎調査」(2016)によると、65歳以上の高齢者で介護が必要となる原因は

  1. 骨折・転倒約12
  2. 残り約5分の1が運動器疾患に関係

とくに高齢者で問題となるのは、気付きにくい錐体(圧迫)骨折であり、外来でのFOSTAスコアを実施した結果「25歳時か4cm以上も身長が低下した人では、注意を払う必要がある」と指摘。

また「骨粗鬆症治療薬のアレンドロン酸、リセドロン酸、デノスマブによる大腿骨近位部骨折の予防効果も、近年報告されていることから、積極的な治療介入が望ましい」と語る。

 そして「50代以降で骨の検査をしたことがない人」「体重が少ない人」など6つの条件に当てはまる人には、「骨粗鬆症の早期発見のためにも、骨密度検査を受けさせたほうがよい」と提案する。

また筋力は「加齢、疾患、不動、低栄養」を原因に減少し、40歳以降では1年間に0.51%減少すると筋力低下についても注意。この状態が続けばサルコぺニアに進展する恐れのため、予防のため週23回の適度な運動とタンパク質などの必須栄養の摂取を推奨。

 そのほかロコモティブシンドローム防止のためのロコモーショントレーニング(スクワット、片脚立ち運動など)は運動機能の維持・改善になり、実際に石橋氏らの研究(伊奈STUDY1)でも、運動機能の向上、転倒防止に効果があったことを報告しレクチャーを終えた。

血管からみた認知症予防の最前線

同学会の専門分科会である脳血管抗加齢研究会から森下 竜一氏(同会世話人代表、大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授)が「血管からみるアンチエイジング」をテーマに、血管の抗加齢や認知症診断の最新研究について説明した。

はじめに最近のトピックスである食後高脂血症(食後中性脂肪血症)について触れ、多くの人々が6時間後に中性脂肪がピークとなるため1日の大部分を食後状態で過ごす中、食後の中性脂肪値を抑制することが重要だと指摘。

実際、食後高脂血症は動脈硬化を促進し、心血管疾患のリスク因子となる研究報告もある。

また、即席めんやファストフードに多く含まれる酸化コレステロールについて、これらはとくに肥満者や糖尿病患者には酸化コレステロールの血中濃度を上昇させ、動脈硬化に拍車をかけると警鐘を鳴らしたほか、食事後の短時間にだけ、人知れず血糖値が急上昇し、やがてまた正常値に戻る「血糖値スパイク」にも影響。

こうした急激な血糖値の変動が高インスリン血症をまねき、過剰なインスリン放出が認知症の原因とされるアミロイドβを蓄積させると指摘。

そして、認知症については軽度認知障害(MCI)の段階で発見、早期治療介入により予防する重要性を強調した。

その一方で、認知症の評価法について現在使用されている簡易認知機能検査(MMSE)、アルツハイマー病評価スケール(ADAS)などでは、検査に時間要すだけでなく、被験者の心理的ストレス、検査者の習熟度のばらつきなどが問題であり、スクリーニングレベルで使用できる簡便性がないと指摘する。

そこで、森下氏らは、被験者の目線を赤外線追うazefinderJCVKENWOOD社)を使用した視線検出技術を利用する簡易認知機能評価法の研究を実施が有効であるとしている。

最後に同氏は「今までの認知症の評価法のデメリットを克服できる評価法を作り、疾患の早期発見・予防に努めたい」と展望を述べて講演を終えた。

最初の題目による適度なエクササイズなどの有効性は個人的にも大切な事であると思います。

人の体を「精神の道具」と大胆に位置づけるとすればその使用頻度の低い道具の劣化率が向上すると同様に、人の体も使用しなければしない分老化が進むという面から、適度な運動などは重要だと思います。

興味深いのは二つ目の題目にある「過剰な血中インシュリンの持続的な分泌状態は、認知症や代謝内分泌系の疾患に結びつく!」という警鐘です。

飢餓の時代を乗り越えてくれた人類に備わっている代謝と内分泌機能は、飢餓の環境下では有意義に機能して、人類の生命維持に強く貢献してきた素晴らしいメカニズムですが

飢餓の時代とは異なる現代の飽食の時代においては、その機能が逆に健康維持に牙をむくという現状になっているという事実を見据えなければいけないという岐路に、現代人は立たされているのかもしれません。

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