黄色ブドウ球菌感染症は依然として脅威、米CDC調査

米国では近年、深刻な黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染症は減少がみられるものの、依然として公衆衛生上の脅威であることに変わりないことが、米疾病対策センター(CDC)の「Vital Signs35日の報告書で明らかになった。

 CDC副長官のAnne Schuchat氏は、記者会見で、「黄色ブドウ球菌は、ヒトの皮膚や口腔内に常在する、ありふれた細菌の一種だ。しかし、細菌が傷口などから血液中に侵入すると敗血症や髄膜炎などを引き起こし、死に至る危険性も高い」と説明する。

しかし、同氏は「ここ数年、国内の感染症対策の強化により、多くの黄色ブドウ球菌感染症を防ぐことに成功した。一方で、今回のデータからは、感染拡大に歯止めをかけるには、より多くの取り組みが必要であることが示された」と述べている。

 この調査は、全米400カ所以上の救急病院から得た電子カルテデータとCDCの新興感染症プログラム(Emerging Infections Program)から人口ベースのサーベイランスデータを分析したもの。

その結果、2017年には119,000人以上が黄色ブドウ球菌菌血症に罹患し、うち約2万人が死亡した。これにはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)など、抗菌薬に耐性を示す危険な黄色ブドウ球菌が含まれていた。CDCによると、知名度の高いMRSAだけでなく、黄色ブドウ球菌感染症はどのタイプでも死に至る危険を伴うという。

 また、2005年から2012年にかけて、医療施設ではMRSA菌血症は毎年約17%減少していたが、最近では、減少速度は勢いを失っており、これに対し懸念が広がっているという。調査では、医療施設以外では毎年、MSSA感染症は約4%増加していることも明らかになった。

 このように、地域社会で黄色ブドウ球菌感染症が増えている理由として、CDCは「オピオイド危機」との関連の可能性を指摘している。昨年のCDCの報告によると、重篤な黄色ブドウ球菌感染症患者のうち注射薬物使用者の割合は、2011年の4%から2016年には9%にまで急増した。

 注射薬物使用者における黄色ブドウ球菌感染症のリスクを低減するためには、医療従事者は彼らを薬物中毒の医療サービスに紹介したり、安全な注射器の使い方や創傷治療、感染症初期の徴候に関する情報を提供したりすべきだと、CDCは指摘している。

 CDC長官のRobert Redfield氏は「黄色ブドウ球菌感染症は、米国社会全体にとっていまだ深刻な脅威だ。その予防は、医療従事者にとって今後も優先的に解決すべき課題であるべきだ」と話している。

 CDCによると、入院中や外科手術後、体内に医療機器を留置している場合や注射薬物を使用している場合、ブドウ球菌感染者と接触する場合には、特に重篤な黄色ブドウ球菌感染症に罹るリスクが高いという。

また、CDCは、地域社会で黄色ブドウ球菌感染症の拡大を防ぐには、手指を清潔に保つこと、傷口を覆うこと、タオルやカミソリ、注射針など皮膚に触れるものは共有しないといった方策の実践を勧めている。

個人的推測の域を超えない意見ですが、黄色ブドウ球菌は一般的な細菌である事から考えてみると、半世紀前にも存在した黄色ブドウ球菌の悪影響は

  1. 整備の行き届いた現代医療機関が以前まで見過ごしてきたこの菌の症状を多くカウントできるようになった。
  2. 一般的な黄色ブドウ球菌に対する現代人の免疫力の低下がこの症状の発症率を上げた。

という2点の影響なのではないかという個人的考察でした。

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