2型糖尿病患者は記憶力および思考力が低下のリスクが高まる

20181214HealthDayNewsより

高齢の2型糖尿病患者は記憶力や思考力が低下しやすいが、これらの認知機能の低下と脳萎縮は関連しない可能性があることが、タスマニア大学(オーストラリア)のMichele Callisaya氏らが実施した研究で明らかになった。

これまでの研究で、糖尿病がない人に比べて、糖尿病患者は認知症リスクが2倍であることが示されているがいまだ因果関係は証明されていなかった

そこで、Callisaya氏らは、これらの関連の背景に脳萎縮が影響するのか否かを調べるため研究を実施した。

この研究は、4.6年の追跡期間中にMRIおよび認知機能検査を3回受けた5590歳の認知症のない男女705人を対象としたもので、参加者のうち348人は2型糖尿病患者(平均年齢68歳)で、残り357人は2型糖尿病を有していなかった(同73歳)。

その結果追跡期間中に、高齢の2型糖尿病患者では言語記憶力や言語流暢性が低下していた言語記憶は単語を思い出す能力のことで、言語流暢性は思考力と計画を立てる能力を評価する指標である

これらの能力が低下すると、人の名前を忘れたり、物を見つけるのに困ったり、物事を計画したり実行するのが難しくなる可能性があるという。

また、MRI検査で評価した研究開始時点の脳容積は、2型糖尿病のない高齢者に比べて2型糖尿病患者では小さいことが分かった。

しかし、追跡期間中の脳萎縮の度合いに糖尿病の有無で差はみられず、脳容積が記憶力や思考力に直接関連するという証拠は得られなかった。

Callisaya氏らは「今回の結果では、高齢の2型糖尿病患者における認知機能の低下は脳萎縮の程度では説明できなかった」結論づけている。

しかし、より長期にわたり追跡すれば、これらの関連は明確になる可能性があるとした上で、「2型糖尿病は脳機能に影響するというのが、今回の研究の重要なポイントだ」と述べている。

他の専門家の一人で米ノースウェル・ヘルスのGisele Wolf-Klein氏は結果について「糖尿病が認知症のリスク因子であることは疑う余地はないが、脳萎縮との関連は明らかになっていない」と指摘している。

同じく専門家の米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、この意見に同意しながらも、「糖尿病患者群では体重がより重く、コレステロール値や血糖値が高かった。こうした患者背景の差が結果に影響した可能性があるのではないか?」との見方も示しているようだ

またZonszein氏は「この研究の重要な意味とは、認知症を予防するには、定期的な運動や健康的な食生活によって血糖とコレステロール、血圧、体重の全てのリスク因子を早期から総合的に管理する必要があるということだ」という一般的な糖尿病改善方法の後押しするという見解のようだ

(海月な医療ニュース考察)

この記事では糖尿病と認知症との間には、強い因果関係があることを指摘しています。

前回掲載した記事では、認知症と糖尿病との因果関係はないとの見解という真逆の見解でしたが

このような研究の相違とは何なのだろうと思わず考えさせられてしまいます。

記事で脳萎縮は、年単位ではない短期間のスパンでの画像診断で糖尿病と脳萎縮との関係性は見られないという内容のようですが

これなどは画像診断上に脳萎縮が現れるまでには、どうしてもタイムラグがあるという事なのではないのかと思います。

また、MRI画像診断等で、その脳萎縮は確認されなくても認知症を発症する患者さんが存在する現実があるのだという事から、「脳の構造と脳神経伝達機能」の両者を安易に同等に考えてはいけないという事なのかもしれませんね。

形があっても働きがない事もあるだろうし、逆に形状自体に多少のいびつさがあったとしても、その中身は正常に働いている(機能している)事もあるということから考えてみますと、今更ながら、その身体機能の神妙な働きには驚かされるばかりです。

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