日本人の海藻摂取と脳・心血管リスク

海藻に含まれるミネラルやビタミン、可溶性食物繊維、フラボノイドは、心血管疾患予防に役立つが、海藻摂取と心血管疾患リスクとの関連は明らかになっていない。

今回、わが国の多目的コホート(JPHC)研究で、筑波大学の村井 詩子氏らが海藻摂取と脳卒中および虚血性心疾患リスクとの関連を調査したところ、虚血性心疾患リスクとの逆相関が認められた。一方、脳卒中とは有意な関連はみられなかった。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2019913日号に掲載。

 本研究は、2つの大規模コホート(4069歳)における男性4707人と女性45,406人が対象。ベースライン時(199094年)、食事摂取頻度調査票(FFQ)で海藻摂取について調査した。脳卒中および虚血性心疾患の発症率は、2009年末(コホートI)または2012年末(コホートII)まで調査した。地域による層別化と心血管疾患リスクおよび食事因子の調整後、Cox比例ハザードモデルを使用して男女別の心血管疾患のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

1493,232人年の経過観察中に、脳卒中4,777例(虚血性脳卒中2,863例、脳実質内出血1,361例、くも膜下出血531例)、虚血性心疾患1,204例が確認された。
・男性では、海藻をほとんど摂取しない群に対する、ほぼ毎日摂取する群の多変量HRは、虚血性心疾患で0.7695CI0.580.99、傾向のp0.04)、心血管疾患全体で0.88(同:0.781.00、傾向のp0.08)であった。女性では、虚血性心疾患で0.56(同:0.360.85、傾向のp0.006)、心血管疾患全体で0.89(同:0.761.05、傾向のp0.10)であった。
・海藻摂取と脳卒中全体および脳卒中の各タイプとのリスクとの間には、男女とも有意な関連はみられなかった。

先ず「海藻摂取と心疾患のリスクの相関性は明らかになっていない」とのことだが、記事内の「心疾患予防」と「心疾患リスク」の両者の定義には明確な臨床医学的または数値的なデータがあるのだろうか?

統計を取っている被験者はそれぞれ海藻摂取の身体的内環境の活動は異なるのではないのかという立場から考えると(体内の生化学的活動には個人差がある)、海藻内の栄養素による心疾患における恩恵の度合いは、単にその栄養を摂取したとか

摂取していないという統計データでその方向性を考えるのにはいささかの問題はないのだろうか?

上記の統計を収集する被験者がベジタリアン的な思想であったり、逆に肉食に偏りすぎる食生活であったりという個々人の違いを吟味いたうえでの統計データであれば、その情報はより精度が増すのではないかと思います。