人工股関節全置換 vs.半関節形成、2年後の有意差なし/NEJM

50歳以上の転位型大腿骨頸部骨折において、人工股関節全置換術を受けた患者と半関節形成術を受けた患者とで、24ヵ月間の二次的な股関節手術の発生率に有意差はなく、人工股関節全置換術が半関節形成術と比べて、機能やQOLに関して臨床的に重要な改善を示さなかったことが報告された。

カナダ・マックマスター大学のMohit Bhandari氏らの研究グループ「The HEALTH Investigators」が、約1,500例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。世界的に、大腿骨近位部骨折は、成人の障害要因のトップ10位内に含まれる。

これまで転位型大腿骨頸部骨折について、股関節全置換術を半関節形成術と比べた効果については不確定なままであった。NEJM誌オンライン版2019926日号掲載の報告。

10ヵ国80医療機関で1,495例を対象に無作為化試験

 研究グループは、10ヵ国の80医療機関を通じて、転位型大腿骨頸部骨折が認められる50歳以上1,495例を無作為に2群に分け、一方の群には人工股関節全置換術を、もう一方には半関節形成術を行った。被験者は、骨折前には介助なしに歩行が可能だった。

 主要エンドポイントは、フォローアップ24ヵ月間での二次的な股関節手術の実施。副次エンドポイントは、死亡、重篤有害事象、股関節関連の合併症、健康関連QOL、機能、全体的な健康エンドポイントなどだった。

主要エンドポイントの発生、全置換術群7.9%、半関節形成術群8.3%で有意差なし

 主要エンドポイントの発生は、股関節全置換術群57/718例(7.9%)、半関節形成術群60/723例(8.3%)だった(ハザード比[HR]0.9595%信頼区間[CI]0.641.40p0.79)。股関節の不安定性や脱臼の発生は、股関節全置換術群で34例(4.7%)が、半関節形成術群で17例(2.4%)が発生した(HR2.0095CI0.974.09)。

 Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis IndexWOMAC)に基づく総スコア、疼痛スコア、硬直性スコア、機能性スコアはいずれも、股関節全置換術群が半関節形成術群よりわずかに良好だったが、臨床的に意味のある最小差を下回っていた。

 死亡率は、股関節全置換術群14.3%、半関節形成術群13.1%と両群で同程度だった(p0.48)。重篤有害事象の発生は、股関節全置換術群300例(41.8%)、半関節形成術群265例(36.7%)だった(p0.13)。