症状がゆっくり進む心筋梗塞はより危ない

心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群(ACS)の発症時に、症状の悪化が徐々に進行すると治療開始が遅れることが多いという報告が、「European Journal of Cardiovascular Nursing911日オンライン版に掲載された。

筆頭著者である米イリノイ大学のSahereh Mirzaei氏によると、ACSが発作的に発症する場合は急激かつ激しい痛みを感じるのに対して、そうでない場合はまず軽微な不快感が生じ徐々にそれが悪化するが、どちらも迅速な対応が必要な緊急事態であるという。

特に後者のケースでは、救急要請に時間を要する結果、死亡リスクが高くなる可能性もあると警告している。

 Mirzaei氏らの研究グループは、米国内多施設の救急部門でACSの治療を受けた474人のデータを解析した。対象者の平均年齢は61.68±11.94歳で男性が72.65%を占め、病型はST上昇型心筋梗塞(STEMI;冠動脈が完全に閉塞するタイプの心筋梗塞)が24.89%、非ST上昇型心筋梗塞(冠動脈の閉塞が不完全なタイプの心筋梗塞)が52.95%、不安定狭心症(心筋梗塞の高リスク状態)が22.15%であった。

 対象者のうち発症が急激だった患者は55.77%で、緩徐だった患者は44.23%だった。治療の緊急度がより高いSTEMIに限って見ても、急激な発症は56.52%であり、43.48%は緩徐な発症だった。

 症状の発現から病院到着までの所要時間の中央値は4時間であり、急激に発症した群は2.57時間、発症が緩徐だった群は8時間で、群間に有意差があった(P0.01)。

病院への移動手段として救急車を利用することは、治療開始までの所要時間の短縮と関連していた。しかし、対象患者のうち救急要請をしたのは44.6%と半数足らずで、STEMIに限っても56.3%にとどまった。その他、保険に未加入の患者は救急要請が遅いことも分かった。

 ACSは発症後2時間以内に治療を開始することが推奨されており、治療開始が遅れるほど死亡リスクが高まり転帰不良となる。Mirzaei氏は、「今回の検討でも半数近くの患者が緩徐な発症であったことから分かるように、そのような発症パターンは珍しいことではない。

しかし胸痛や胸部の不快感は冠動脈閉塞の警告であり、直ちに救急要請の連絡をすべき」と述べている。

 本研究では、急激に発症した男性STEMI患者のうち54%は発作が起きる前に、走る、階段を上がる、雪かきをするなどの運動をしていたことが分かり、それが発作の誘因である可能性が考えられた。

これに関連してMirzaei氏は、「虚血性心疾患を有する場合、または高血圧や糖尿病、高コレステロール血症、心疾患の家族歴などのリスク因子が複数ある場合には、運動後の胸痛や不快感が心筋梗塞の症状の可能性があることを意識しておくべき」とし、喉、首、背中、胃、肩の痛みなどの放散痛や、吐き気、冷や汗、だるさ、恐怖感といった併発症状など、心筋梗塞の症状の特徴と多様性を解説。

このような場合はすぐに救急要請すべきであり、「治療開始が早いほど予後は良い」とまとめている。

[2019912/HealthDayNews

以下は「ゆでガエル」逸話の一般的な定義です。

熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねる。 ところが常温の水にいれ、徐々に熱していくとその水温に慣れていく。 そして熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずにゆで上がってしまうというのです。」

このような危険性を示しているのではないでしょうか。