スタチン使用と認知症リスク~900万人超のメタ解析

認知症リスク低下に対するスタチンの影響については、これまで10年間にわたり議論の対象となってきたが、決定的なエビデンスは存在しない。台湾・台北医科大学のTahmina Nasrin Poly氏らは、スタチン療法と認知症リスクとの関連性を定量化するため、これに関連する観察研究のメタ解析を実施した。Neuroepidemiology誌オンライン版2019101日号の報告。

 20001月~20183月までに公表された関連研究を、EMBASEGoogleGoogle ScholarPubMedScopusWeb of Scienceよりシステマティックに検索した。2人の研究者により、研究の選択、データの抽出化、バイアスリスクの評価が行われた。次に、選択した研究からデータを抽出し、変量効果モデルを用いて観察研究のメタ解析を行った。サブグループ解析および感度分析も併せて実施した。

 主な結果は以下のとおり。

9162,509例(認知症患者:84,101例)を含む30件の観察研究が適格基準を満たした。
・スタチン使用患者は、スタチン未使用患者と比較し、すべての原因による認知症リスクが低かった(リスク比[RR]0.8395CI0.790.87I257.73%)。
・スタチン使用患者における全体的にプールされたRRは、アルツハイマー病で0.6995CI0.600.80p0.0001)、血管性認知症で0.9395CI0.741.16p0.54)であった。

 著者らは「スタチン使用は、認知症リスクの有意な低下と関連していることが示唆された。このような結果を検証する今後の研究は、患者、臨床医、政策立案者にとって有用な情報となるであろう。さらなるエビデンスが確立するまでは、スタチンは心血管疾患の治療で承認されている薬剤であることを、臨床医は意識しておく必要がある」としている。