慢性腎臓病の発症リスクを予測する新ツール

今後5年間に慢性腎臓病(CKD)になるかどうかを主治医が簡単な計算で予測できるとしたら、どうだろうか。米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らの報告によると、それが可能になったという。

 「われわれが開発したリスク計算式を使えば、医師は今後5年間に誰がCKDになるかを高い精度で推測できる。この計算式は、世界各地での異なる臨床環境においてもその精度を維持できることが示されている」と、同大学公衆衛生大学院疫学分野教授のJosef Coresh氏は述べている。この報告は、「JAMA118日オンライン版に掲載された。

 新たに開発された計算式は、年齢や性別といった情報を用いて、その人がCKDを発症しやすいかどうかを予測するもので、糖尿病のない人を対象とするものと糖尿病のある人を対象とするものの計2種類。CKDリスクが最も高く早期治療のメリットを受ける患者を医師が選び出す上で助けとなる。CKDは進行性の疾患だが、このような手法で早期に発見し治療していけば、進行を遅らせたり止めたりすることも可能だという。

 Coresh氏のチームは計算式の開発に、19704月~20171月に報告された28カ国から34件のコホート研究のデータを利用。研究対象者数は合計5222,711人に及ぶ。

 全体を糖尿病の有無で2グループに分けると、糖尿病のないグループは4441,084人(平均年齢54±16歳、38%が女性、BMI27±6)。平均4.2年の追跡期間中に14.9%にあたる66856人がCKDを発症した。一方、糖尿病のあるグループは781,627人(平均年齢62±11歳、13%が女性、BMI32±6)で、平均3.9年の追跡期間中に40.1%にあたる313,646人がCKDを発症した。

 計算に用いる情報として、先に挙げた年齢や性別のほかに、人種・民族、eGFR、心血管疾患や高血圧の既往、喫煙歴、BMI、尿中アルブミンを利用する。糖尿病患者の場合はこれにHbA1cと糖尿病用薬の使用状況を加える。

 開発された計算式が5年後のCKD発症をどの程度の確率で予測するかをROC解析で検討すると、糖尿病がない場合のC統計量は0.845、糖尿病がある場合は0.801となった。この予測能力は臨床で利用するのに十分な精度という。さらに、別の200万人強のグループで確認したところ、やはり高い精度があるとみなされた。

[2019118/HealthDayNews]