米国で大型ハリケーンが激増、過去100年間で3倍以上

米国を直撃したハリケーンは、気候変動の影響を受けて、その規模や勢力、破壊力が急激に増していることが、コペンハーゲン大学(デンマーク)ニールス・ボーア研究所准教授のAslak Grinsted氏らの研究で明らかになった。「Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)」1111日オンライン版に発表された研究によれば、米国を襲った大型ハリケーンは、過去100年の間に3倍以上に増加していることが分かったという。

 今回の研究は、米国の保険業界のデータベースを用いて、ハリケーンによる被害を新しい手法で分析、比較したもの。Grinsted氏らによれば、これまでハリケーンの被害額を比較するには、ハリケーンごとの被害額を算出し、被害額を時代に合わせて換算する必要があった。例えば、1950年代のハリケーンによる被害額を現在の価値に換算した上で比較するというものだ。

 しかし、ハリケーンによる被害額の増加は、インフレや人口の増加、資産の増大によるものである可能性がある。そのため、気候変動によって、実際にハリケーンの勢力が増しているのか否かを判断することは困難であった。

 そこで、Grinsted氏らは、ハリケーンによる金銭的損失を説明する手法として、ハリケーンで被害を受けた土地面積のうち、損失額に達するために必要な“壊滅的な被害を受けた地域の総面積(area of total destruction)”を割り出して分析した。

 その結果、ハリケーンは気候変動により規模や勢力のほか、破壊力も増していることが認められた。Grinsted氏らは「2000年代以降、壊滅的な被害を受けた地域の面積は激増しており、最強クラスのハリケーンの数は、過去100年間で330%も増加していることが分かった」と述べている。

[20191118/HealthDayNews]