性行為の頻度が低い女性は閉経が早い?

性生活が充実していない女性は、閉経を迎えるのが早い可能性があることが、約3,000人の米国人女性の性生活と閉経の時期を10年間にわたって追跡調査した結果、明らかになった。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMegan Arnot氏らによるこの研究は「Royal Society Open Science115日オンライン版に掲載された。

 この研究は、閉経にともなう生物学的・心理学的変化に関するデータの収集を目的とした米国の研究「Study of Women’s Health Across the NationSWAN)」に19961997年に参加した女性のデータから抽出した2,936人を対象にしたもの。研究開始時の女性の平均年齢は45.88歳で、既に閉経していた女性はいなかったが、46%に月経周期の変化やホットフラッシュといった閉経周辺期の症状が現れ始めていた。約10年間の追跡期間中に自然閉経に至った女性の割合は45%(1,324人)で、平均閉経年齢は52歳だった。

 解析の結果、因果関係が証明されたわけではないが、追跡期間中に閉経を迎えた女性の割合は、性行為の頻度が「月に1回未満」と回答した女性と比べて「週に1回以上」と回答した女性で28%少なく、「月に1回以上」と回答した女性で19%少ないことが示された。また、女性がパートナーと住んでいるかどうかは、結果に影響を与えていなかった。

 この結果についてArnot氏は、「性行為の機会がなく妊娠する可能性がない女性では、体が排卵にエネルギーを注ぐ必要はないと判断していることを示唆するものだ。排卵に使わなくなった分のエネルギーを、例えば孫の世話に必要なエネルギーにあてるといった具合に、生物学的なエネルギーのバランスがとられているのかもしれない」と説明している。

 米レノックス・ヒル病院産婦人科のJennifer Wu氏は、「性行為の機会を持ち続けることにさまざまな利点があるのは医師の間ではよく知られている。例えば、閉経が遅い女性では、骨の強度が高く脂質値も良好に保たれている可能性が高い」とし、良好なセクシュアルヘルスには閉経の遅延以外にもプラスの面があることを指摘している。

 Wu氏はさらに、Arnot氏らの研究では、閉経の遅延に関連する性行為としてオーラルセックスや愛撫、自慰行為も含まれていたことに言及し、「パートナーがいない女性でも、遅めの閉経による恩恵を受けることは可能だと考えられる」と話している。

 一方、米ノースウェル・ヘルス、ハンティントン病院産婦人科のMitchell Kramer氏は、既婚女性は独身女性よりも閉経を迎えるのが遅いことが過去の研究で示されていると指摘。その一因として、結婚している人の方が性行為の頻度が高いことが考えられると説明している。

 また、Kramer氏は「全ての女性がいつかは閉経を迎えるが、性行為の機会を多く持つことで何らかの機序により生殖システムに影響が及び、閉経が遅れる可能性はある」と考察。その一方で、「今回の研究結果は、科学的な観点では重大な意味を持つが、女性の健康にとってどの程度重要なのかは不明だ。一般女性がこの報告を深刻に受け取る必要はない」としている。

[2020115/HealthDayNews]