慢性膵炎の疼痛緩和、早期外科治療vs.内視鏡

 本研究は、オランダの30施設が参加した無作為化優越性試験であり、20114月~20169月の期間に患者登録が行われた(オランダ保健研究開発機構などの助成による)。

 対象は、膵管拡張を伴う閉塞性慢性膵炎による重度の疼痛がみられ、非オピオイド鎮痛薬では疼痛の進行を抑制できないため、オピオイド鎮痛薬の使用(強オピオイド≦2ヵ月、弱オピオイド≦6ヵ月)を開始した成人患者であった。

 被験者は、無作為割り付けから6週間以内に外科的ドレナージ術を行う早期外科治療群、または至適な薬物療法が無効または許容できない有害事象が発現したため、内視鏡による初期治療を行う群(必要に応じて、体外衝撃波結石破砕術や外科治療を併用)に割り付けられた。

 主要アウトカムは、18ヵ月間の追跡期間におけるIzbicki疼痛スコア(0100点、点数が高いほど疼痛の重症度が高い)とした。副次アウトカムは、追跡期間終了時の疼痛消失、介入・合併症・入院の回数、膵機能、QOL36-Item Short Form Health SurveySF-36])、死亡であった。

18ヵ月間の平均Izbicki疼痛スコア:37vs.49

 88例(平均年齢52歳、女性21例[24%]、早期外科治療群44例、内視鏡治療群44例)が登録され、85例(97%)が試験を完遂した。ベースラインの平均年齢は早期外科治療群が7歳若かった(49歳、56歳)。全体の膵管径中央値は8mmIQR610)であり、16%で膵石と膵管狭窄が、74%で膵石のみ、10%で膵管狭窄のみが認められた。

 早期外科治療群の44例中41例が手術を受けた(割り付けから手術までの期間中央値40日[IQR3265])。一方、内視鏡治療群の44例中2例で薬物療法が成功し、42例は成功しなかった。このうち39例(89%)が内視鏡治療を受け(施行回数中央値3回[14])、24例(62%)は不成功であった。22例で体外衝撃波結石破砕術が行われ、13例(30%)が外科治療を受けた。

 18ヵ月の追跡期間中の平均Izbicki疼痛スコアは、早期外科治療群が37点と、内視鏡治療群の49点に比べ有意に低かった(群間差:-12点、95%信頼区間[CI]:-22~-2p0.02)。

 追跡期間終了時に、疼痛の完全消失(Izbicki疼痛スコア≦10点)または部分消失(同>10点、かつベースラインに比べ50%以上の低下)は、早期外科治療群が40例中23例(58%)、内視鏡治療群は41例中16例(39%)で達成され、両群間に有意な差はなかった(群間差:19%、95CI:-441p0.10)。

 介入の回数は早期外科治療群で少なかった(群間差:-2回、95CI:-3~-1p0.001)。一方、死亡(0%、00)、入院回数(0、-10p0.15)、膵外分泌機能不全(3、-1015p0.99)、膵内分泌機能不全(-16、-364p0.12)、QOL(身体機能:3、-28p0.21、心の健康:3、-28p0.21)には、両群間に有意な差はみられなかった。

 有害事象は、早期外科治療群で12例(27%)、内視鏡治療群では11例(25%)に認められた。早期外科治療群の有害事象はすべて術後の合併症であり、内視鏡治療群は7例(16%)が内視鏡治療後の合併症で、5例(38%)は外科治療後の合併症だった。

 著者は、「この差の長期の持続性を評価し、これらの知見の再現性を確認するために、さらなる検討を行う必要がある」としている。