GABAA受容体を標的とした新規抗うつ薬の展望

GABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターのSAGE-21714日間連日経口投与した結果、プラセボと比較して15日目のうつ症状が改善したが、有害事象の頻度はSAGE-217群で多かった。米国・Sage TherapeuticsHandan Gunduz-Bruce氏らが、大うつ病性障害(うつ病)患者を対象とした第II相二重盲検比較試験の結果を報告した。うつ病の発症にGABAの神経伝達障害が関与していることが示唆されているが、大うつ病治療におけるSAGE-217の有効性および安全性は不明であった。NEJM201995日号掲載の報告。

大うつ病患者89例を対象にSAGE-217の有効性と安全性を検討

 研究グループは20174月~10月に米国内8施設において、大うつ病患者89例を登録し、SAGE-217群(1130mg)およびプラセボ群に、11の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D17項目の総スコア(範囲:052、スコアが高いほどうつ病が重度)の15日目におけるベースラインからの変化量であった。

 副次評価項目は、その他のうつ病と不安に関する評価スコア(MADRSBech-6HAM-A)のベースラインからの変化量、HAM-Dスコアがベースラインから50%超低下した患者の割合、HAM-Dスコアが7以下の患者の割合などで、28日目、および1521283542日目に評価した。

14日間のSAGE-217投与でうつ症状が改善、重篤な有害事象なし

 ベースラインの平均HAM-Dスコアは、SAGE-217群(45例)25.2、プラセボ群(44例)25.7であった。HAM-Dスコアの15日目におけるベースラインからの変化量の最小二乗平均(±SE)は、SAGE-217群が-17.4±1.3、プラセボ群が-10.3±1.3であった(変化量の最小二乗平均の群間差:-7.095%信頼区間[CI]:-10.2~-3.9p0.001)。

 副次評価項目の群間差は、概して主要評価項目と同様の傾向にあった。

 重篤な有害事象は確認されなかった。SAGE-217群において発現率が高かった有害事象は、頭痛、めまい、悪心、傾眠であった。

 著者は研究の限界として、症例数の少なさ、副次評価項目の多変量の補正不足、対象患者の人種が限られていたことなどを挙げたうえで、「今後、うつ病に対するSAGE-217の効果の持続性や安全性を明らかにし、SAGE-217と既存の治療薬を比較検証するさらなる研究が必要である」とまとめている。

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