HPVワクチン+検診で子宮頸がん撲滅可能/Lancet

今世紀末までに、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種率が上昇できれば、ほとんどの低~中所得国(LMIC)における子宮頸がんを撲滅可能であることが示された。また検診の受診率上昇が、子宮頸がんの減少を促進し、疾病負荷の最も高い国における子宮頸がんの撲滅に必要であることも示唆された。カナダ・ラヴァル大学のMarc Brisson氏らが、LMIC 78ヵ国を対象とした、世界保健機関(WHO)の子宮頸がん撲滅プログラムが子宮頸がん罹患率に及ぼす影響に関するモデル分析の結果を報告した。WHOは公衆衛生の問題として子宮頸がん撲滅のための行動喚起を表明しており、研究グループは、世界的な取り組みへの情報提供に役立てるため、LMICにおける子宮頸がん撲滅の実現の可能性と時期を検証し、撲滅の過程で避けられる子宮頸がんの症例数を推定するために、HPVワクチン接種と子宮頸がん検診のシナリオをモデル化した。Lancet2020222日号掲載の報告。

HPVワクチン接種のみ、+検診1回、+検診2回の効果を予測し評価

 WHO Cervical Cancer Elimination Modelling Consortium CCEMC)は、3つのシナリオ(ワクチン接種のみ、ワクチン接種+生涯で1回の子宮頸がん検診、ワクチン接種+生涯で2回の子宮頸がん検診)について、LMIC 78ヵ国における子宮頸がん減少の経時的な推移を予測した。

 ワクチンは9歳の女児に接種し(14歳までcatch-up)、ワクチン接種カバー率は90%、HPV161831334552および58型に対する生涯の予防率は100%、子宮頸がん検診は35歳および45歳時点で生涯1回または2回のHPV検査を受け、受診率は2023年の45%から2045年には90%まで増加すると仮定した。

 子宮頸がんの年齢標準化発症率が4例未満/10万人と10例未満/10万人、ならびに発症率低下が85%以上を閾値として検証し、感度解析を実施。予測モデルの中央値(範囲)を用いて結果を要約した。

HPVワクチン接種+検診2回で子宮頸がん撲滅が加速

 HPVワクチン接種のみの場合、LMICにおける子宮頸がんの年齢標準化発症率中央値は、今後100年間で19.8/10万人年(範囲:19.419.8)から2.1/10万人年(2.02.6)へと減少し(減少率:89.4%[86.290.1])、子宮頸がん患者を6,100万人(6,0506,300万人)減らすことができると予測された。

 HPVワクチン接種+生涯2回の検診では、発症率は0.7/10万人年(範囲:0.61.6)へ減少し(減少率:96.7%[91.396.7])、子宮頸がん患者はさらに1,210万人(9501,370万人)減ると予測された。

 また、ワクチン接種のみの場合、閾値を4例未満/10万人とするとLMIC60%(範囲:5865)で、10例未満/10万人では同99%(89100)で、発症率低下85%以上では同87%(3799)で子宮頸がんが撲滅すると推定され、生涯2回の検診を追加した場合は、LMIC100%が3つの閾値すべてで撲滅に達すると推定された。

 ワクチン接種のみで子宮頸がん撲滅を達成できるすべての国では、20592102年の間に撲滅できる可能性があり、さらに生涯2回の検診を導入することで撲滅は1131年早まると推定され、子宮頸がん撲滅のためには長期的なワクチン接種による予防が必要であることが示された。

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