PPIによる女性化乳房のリスク

プロトンポンプ阻害薬(PPI)による女性化乳房の症例報告は多いが、大規模な疫学研究はなかった。

今回、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のBonnie He氏らが大規模な後ろ向きコホート研究を実施し、男性患者におけるPPIによる女性化乳房リスクを調べた。

その結果、PPI使用による女性化乳房発症リスクはアモキシシリン使用に比べ、50歳超で1.5倍であった。Pharmacotherapy誌オンライン版2019313日号に掲載。

 著者らは、米国のPharMetrics Plus健康診断データベースを使用して、200616年の新規PPI使用患者および新規アモキシシリン使用患者の後ろ向きコホート研究を実施した。

女性化乳房の診断は、国際疾病分類(ICD-9ICD-10)のコードで同定した。90日以内に女性化乳房の2つのコードがあり、最初のコードがイベントコードである患者を女性化乳房症例とした。

ハザード比(HR)は、アルコール性肝硬変、甲状腺機能亢進症、精巣がん、クラインフェルター症候群、肥満のほか、ケトコナゾール・リスペリドン・スピロノラクトン・アンドロゲン除去療法の使用を調整し算出した。また、2回のPPI処方の曝露での感度分析も行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・新規PPI使用患者では、22791例のうち389例が女性化乳房と診断され、新規アモキシシリン使用患者では、837,740人のうち996例が女性化乳房と診断された。

・アモキシシリン使用と比較したPPI使用の粗HR 1.70であった(95%信頼区間[CI]1.4611.976)。

・感度分析における調整HR1.29995CI1.1461.473)であった。

・調整HRは、50歳以上の患者では1.479595CI1.24311.7609)、50歳以下の患者では1.32495CI1.11331.5745)であった。

女性化乳房の原因は肝機能低下や前立腺疾患治療薬や男性型禿髪症治療薬といったような薬などによるものもあるようです(その他、女性ホルモン投与や脳下垂体の異常に起因するプロラクチンホルモンの過剰分泌など)

様々な原因で男性の体内における女性ホルモン群の働きが強くなることによって引き起こされる症状のようです。

個人的に最近よく取り上げているPPI(プロトンポンプ阻害薬)ですが、この薬の作用が女性乳房化を起こす可能性があるという上記の統計の研究から推測すると

PPIの服用は男性の体内の女性ホルモンを過剰に分泌させてしまう因子の一つになるかもしれなという事のようで

いわゆる「ホルモン攪乱薬」の可能性を示唆するものと考えてもよいのでしょうか?。

(補足)

ボディビルダーなどが過剰に男性ホルモンを投与する事によって、その過剰な男性ホルモンが体内で女性ホルモンに代謝される事もあるようで(芳香化)、この場合でも結果的に多くの女性ホルモンが体内に影響を及ぼして、女性化乳房になるようです。

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